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資格/実績

作成日: 2020年7月30日 最終更新日: 資格/実績

SGH(スーパーグローバルハイスクール)生の私が進路を決めるまで


こんにちは、AOIのはなです!この記事を見つけてくださったということは、SGHの高校生か進路に迷っている方でしょうか。私は今、メディアカルチャーやジャーナリズムに関わる進路を目指して神戸大学で勉強しています。ですが初めからこの道と決めていたわけではなく、高校時代はたくさん迷いました。

今回は、私がどうやってこの進路に決めたのかをお話ししたいと思います。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

高校1年生、とにかくなんでもやってみた。

SGH校に入学

中学生の頃、洋楽にハマったことをきっかけになんとなく「英語ペラペラで、国際的に働く人になりたいなぁ」と思うようになりました。それまでは英会話教室に通ったことも海外に行ったこともなかったけれど、猛勉強をして文部科学省からスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されており、海外研修や英語教育などに力を入れている高校に入学しました。

SGHについて詳しくはこちらから
スーパーグローバルハイスクールについて(文部科学省)

しかし入学してみると周りは帰国子女など、高校一年生にして英語がペラペラな人たちばかり。自分の力不足を感じ、それならば追いつくためにできることから頑張ってやろうと、「チャンスがあればなんでもやってみる」と胸に誓い、以後これを高校生活の間のモットーとしてとにかくなんでもやってみることにしました。

3年間で行ったことは、課題研究・ディベート・パネルディスカッション・他のSGH校とのイベントの企画運営・プレゼンテーション・海外研修・ボランティアなど。なんでもやってみたからこそ、遠回りでしたがやりたいことを見つけることができました。
これから、私が今の進路に決めるまでの出来事を順番に振り返ってみたいと思います。

課題研究

1年生の夏ごろから、外国人の子どもの言語教育に関する問題について、同級生と一緒に課題研究に取り組みました。

課題研究とは、興味のあるトピックに関して問いを立てて、調べていくこと。クオリティは高校生のモノですが、大学の卒業研究などで行うような研究を県の高校生の課題研究発表会に出すことを目標に、手探りで始めたのでした。
インタビューや文献研究などを行って、これをきっかけに社会問題や調べるということ自体に興味を持ち始めました。

高校2年生、将来何になりたいか?

海外で働きたい?アメリカ研修

高校2年生になり、少しずつ将来について考える機会が増えてきました。そんな中、ようやく選考に合格し、アメリカ・ワシントン州シアトルへ派遣される機会を得ました。

念願の海外派遣、現地の高校生のホストの家に泊まり、市役所を訪問したり、学校に行ってみたり、休日の家族のお買い物にモールへ連れて行ってもらったりと、短い間でしたが存分に楽しむことができました。

その海外派遣で得た気づきは、「英語は、まだペラペラではないけど人とのコミュニケーションは十分可能であること」その上で「言語はあくまでツールでしかないということ」「海外というのは案外近くて、人間も文化も案外一緒なのだということ」でした。
この研修をきっかけに海外で暮らすことへの漠然とした憧れは消え、同時に実現可能で身近なものとして立ち現れたのです。

国際機関で働く?研究者になる? WHO保健医療ハイスクールサミット

WHO保健医療ハイスクールサミットでのWHOポーズをする女性4人

神戸市でG7保健大臣会合が開かれることを控えて兵庫県の高校生と世界保健機構(WHO)神戸センターが開催した保健医療ハイスクールサミットに代表校プレゼンターとして参加しました。
それより前から、国際問題などに興味があるし色んな国に行けそうで面白そうという理由で、国際連盟やJICAなどの国際機関に興味がありました。そして実際にWHOの職員の方とお話しする機会やキャリアについて伺う機会を得て、「国際機関で働くためには大学院に行くなど、学問の専門性が必要なこと」「新卒で就職するのではなく、他のキャリア経験なども踏まえて働いている人が多いこと」などを知りました。

これをきっかけに自分が大学で何を勉強したいかということを深く具体的に考えるようになりました。また、一つの企業で退職まで働くようなモデルではなく、より柔軟なキャリア形成について考えられるようになりました。

研究者? 課題研究

課題研究の経験を通して、自分が調べることが好きということがわかりました。そして、色んな大学教授の方の講演会に参加したり課題研究に対してフィードバックをいただいたりするうちに、アカデミックの道に進み、ずっと研究をし続けるということ、研究者として学び続けられるということにも魅力を感じるようになりました。そして、自分は何を専門にしたいのか何学部に行きたいのかという問題に、しばらく頭を悩ませることになります。

興味があることは、社会問題全般。中でも政治に興味があったので、法学部も考えました。ですが、自分がそれまで行ってきた課題研究の分野や手法としては、社会学部文学部も適しています。初めは学部や学問領域に対する曖昧なイメージによって、ぼんやりと進路を考えるだけでしたが、高校2年生の夏ごろからオープンキャンパスに行くなど、志望大学や学部を絞っていきました。

企業ではたらく? ビジネスコンクール

こうして様々な社会問題に触れ、NPOや国際機関の活動について知るうちに、「社会問題を解決するには資本が必要だということ」「ボランティアなどだけでは持続的な支援や発展は難しいということ」を考えるようになりました。
もちろん他にも社会問題解決のための道筋は沢山ありますが、当時の私は「企業が利益を生み出す過程で格差是正に貢献できるような、win-winのビジネスを考えたい」と思いました。

実際に同級生とチームを組み、高校2年生の冬に高校生の英語ビジネスコンクールに出場するなど、これもとりあえず悩む前に手を出してみました。そして、まずは経営学部商学部に進むことを目標に受験勉強のスタートダッシュを切ったのです。

高校3年生、全部やりたい!

何が一番楽しいか

受験勉強をスタートしてからも、写真コンテストやパネルディスカッションへの参加など、まだ「なんでもやってみる」は継続中でした。
そしてあまりにもなんでもやりすぎたために、高校3年間で扱ってきた社会問題は少子高齢化問題・多文化共生社会の問題・貧困・格差・言語問題・保健医療など多岐に渡り、何を専門とするかを決めかねていました。また、法学や経営学、社会学のことを全部幅広く勉強したいと、欲張りな気持ちが出てきました。

突き詰めて考えてみると、自分は研究するトピックについてすべて同じ熱量で選んだわけではなく、そもそもどんなことにも興味を持てること、色んな事柄を少しずつかじること自体が自分の特性であり、一番やりたいことなのではないかと思い至りました。
そして、一度進路について決めたことをまっさらに戻し、やりたいことを叶えられるような将来の職業探しや大学選びを始めました。

進路決定

「様々な社会問題を追いかけ続けられるような職業」について考える中で、ジャーナリストという目標を持つようになりました。
また、報道に関する本を読んだりニュースを見たりする中で、もっとニュースの受け取り手が背景知識を知ったうえで情報をかみ砕いていけるような報道を実現したいと考えるようになりました。
調べてみることで、自分なりの問題意識を持てるようになったということです。

そしてこの目標の実現のために「どんな社会問題も理解した上で報道できるような教養をつけるかたわら、メディア学を専攻する」という、大学での学習の指針を得ることができました。それが可能な大学を探し、3年生夏にようやく志望校を決定したのです。

最後に

ここまで色々書きましたが、残念ながら力及ばず第1志望の大学には合格できずに、今は第3志望だった大学に通っています。しばらくの間は、志望度の低かった大学に入ってこれから自分の夢をどうやって叶えていくのかのビジョンが見えませんでした。現在通っている大学では、自分の興味のあるメディアやジャーナリズムの授業もほとんど開講されておらず、「どんな社会問題も理解した上で報道できるような教養をつけるかたわら、メディア学を専攻する」という目標をどのように達成したら良いのかわかりませんでした。
しかし、代わりに社会学・法政治学・文化人類学・メディア文化論・ジェンダー論などについて幅広く学ぶことができ、1年間海外に留学しても4年で卒業できる交換留学の制度と、教授たちと気軽に議論できる環境が現在通っている神戸大学にはあります。そして興味のあったメディアやジャーナリズムについては、交換留学先の大学でじっくりと学ぶことができました。

このように、やりたいことが決まっていれば、どんな大学でも勉強する道筋があります。描いた進路の実現ではなく、叶えたい指針の実現の方が大切です。大学は、学ぶための手段の一つです。

初めは漠然と「英語がペラペラで、海外でも活躍できる人」なんかを目指していた私でしたが、高校3年間で宣言通り「なんでもやってみた」ことで、自分のやりたいことをより柔軟かつ具体的に思い描くことができるようになりました。たくさん回り道もしましたが、必要な悩みであったと思っています。
そして指針が決まっていれば、大学自体の進路に関わらず、真っ直ぐ進むことができます。
この体験記が少しでも皆さんの悩みに寄り添うことができるものであれば、幸いです。

この記事を書いた人

AOI編集部 編集長

総合型・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)の専門塾として 業界No.1の合格率を誇るAOIの編集部です。 「受験生や保護者のためになる記事を作る」がモットー

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