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作成日: 2020年12月4日 最終更新日:

【未来予測】今後も総合型選抜を実施する大学は増えるのか

今後も総合型選抜を実施する大学は増えるのか アイキャッチ画像


2020年度は大学入試の転換期となりました。これまでのセンター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が実施され、公募推薦や指定校推薦といった推薦入試は、その名称を「学校推薦型選抜」に改め、AO入試も、名称を「総合型選抜」に改めました。

近年、総合型選抜(旧AO入試)を課す大学が増えましたが、これからの大学入試でその動きに変化はあるのでしょうか。この記事では、これまでのAO入試の課題を取り上げつつ、今後も総合型選抜を実施する大学が増えるのかどうか、入試の動向を見ていきたいと思います。

AO入試の課題

これまでのAO入試は、学力試験を課さず、小論文や面接のみで合否が決まる入試制度でした。そのため、学力試験で合否を決める一般入試の合格者との学力差が問題になることがしばしばありました。

また、AO入試合格者が、大学の入学後に授業についていけなかったり、留年するなどの課題もありました。大学と学生との間にミスマッチが起こっていたのです。

2020年度に始まる「総合型選抜」では、これまでの課題を解消するために、総合型選抜の入試に学力を測る試験を課すような動きがあります。「総合型選抜」は文字通り、学力と人柄や意欲などを総合的に判断する入試制度となるのです。

統計データから見る総合型選抜の推移

総合型選抜で入学する学生はここ20年で大幅に増えたという文部科学省の統計データがあります。


文部科学省の「大学入学者選抜関連基礎資料集」によると、通信課程および外国人留学生を除いた2000年度の国公私立大学の入学者59万2878人のうち、一般入試の利用が65.8%(38万9851人)、推薦入試の利用は31.7%(18万8083人)で、AO入試の利用はわずか1.4%(8117人)でした。

しかし、2019年度の入学者61万6602人のうち一般入試の利用は53.0%(32万6643人)、推薦入試の利用は36.8%(22万7006人)、AO入試の利用は9.9%(6万1127人)と推移しています。一般入試による入学者が10ポイント以上も減少し、AO入試による入学者が大幅に増加しています。

この推移には、私立大学が大きく影響しています。私立大学の入学者選抜実施状況を詳しく見ていくと、2000年度に私立大学に入学した学生46万8260人のうち一般入試による入学者は60.1%(28万1319人)、推薦入試は37.2%(17万4121人)、AO入試は1.7%(7773人)でしたが、2019年度にはAO入試の利用の割合が大きく増加しました。

2019年度は、入学者48万5506人に対し一般入試の利用は45.6%(22万1396人)まで減少し、代わりに推薦入試の利用が42.6%(20万6672人)、AO入試の利用は11.6%(5万6184人)と増加しています。

国公立大学でも、AO入試の割合は確実に増えています。
公立大学では、AO入試の利用は0.1%から2.8%、国立大学では0.3%から4.1%とそれぞれ数ポイントですが増加しています。学力試験だけでは見えない学生の人柄ややる気を見たい大学が増えているのがわかります。

AO入試の利用はどの大学でも増えており、私立大学では、その利用率の増加が顕著です。
国立大では依然として一般入試による入学が主流ですが、私立大学では推薦入試やAO入試による入学生が一般入試による入学生を上回っています。

そして、今後もこの傾向は続くと予想されます。

総合型選抜が急増する背景に私立大学の経営難

舞うお金と減少する棒グラフ


近年、総合型選抜が急増している背景には次のような実情があります。

それは、大学の経営難です。1991年の大学設置基準の改正をきっかけに、私立大学の新設が相次ぎました。しかし、少子化にも関わらず大学の数が増えたために、学生を確保できない大学も出てきてしまいました。

総合型選抜は、合格すると必ず入学しなければならない入試制度です。大学側からすると、確実に学生を確保できる入試方法であるため、経営難の私立大学を中心に、総合型選抜に力を入れる大学が増えている実情があります。

大学側は、学生を確保できず経営が困難になると、雇っている教員や職員の数を減らしたり、給与を減額したり、設備投資を節約したりせざるを得なくなります。
そうなると、教育環境が整えられなくなり、教育の質が落ちる場合が出てきます。定員割れが続いている私立大学ではこのような事態に陥るところも出てきているため、受験をする学生側は十分なリサーチが必要です。

大学に入学できればよいというのではなく、入学後にしっかりとした教育が受けられるのか、また大学卒業後の進路実績はどうかなどを見極める視点を持ち、その上で、総合型選抜で受験するのかどうかを判断しましょう。

今後も総合型選抜を実施する大学は増えるのか まとめ

2020年度に始まった総合型選抜のイメージ


ここまで見てきたように、今後も、総合型選抜を実施する大学は、私立大学を中心に増えていく傾向にあります。

しかし、これまでのAO入試で課題となっていた学力差の問題を解消するため、なんらかの方策を講じる大学が増えていくでしょう。具体的には、学力を測る個別試験の実施や、大学入学共通テストの活用です。

大学と学生のミスマッチが起こらないような動きが増えていくため、学生側は志望大学に見合った学力を備えておくことが重要です。

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