作成日: 2017年1月20日 最終更新日: 出願書類対策
総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜(推薦入試)を受験する際にほぼ100%必要な出願書類の一つです。
総合型選抜(AO入試)を実施している大学には、志望理由書が受験生の採点に利用される大学もあれば、申込書などと同じ扱いをされ採点対象にはならない大学もあります。しかし、どちらの場合であっても、全受験者の出願書類に、面接官は必ず目を通します。このように志望動機書は総合型選抜(AO入試)を受験するうえでおろそかにしてはいけない書類の一つです。
今回の記事では、総合型選抜(AO入試)を受験する予定の受験生のために、出願に使う志望理由書の書き方について、いくつかのテクニックをお教えしたいと思います。
私たちaoiのメンターは、様々な経歴をもつ高校生の志望理由書を見てきました。みんな個性に富んだものばかりで、彼らの夢がたくさん詰まっていることが見て取れます。
しかし、素晴らしい経歴を持っているからと言って、文章を書くのがうまいわけではありません。
そこでaoiでは、彼らが合格へより近づけるように、志望動機書の基本的な書き方を教え、間違っている部分を指摘し修正を促すとともに、彼らの優れた経験や実績、魅力的な人格、志望校への情熱、学びへの貪欲さ、そして時代を変革する意欲が面接官に十分に伝わるように書類の内容から面接での受け答えまで指導しています。
以下では実績や魅力を表現する能力を鍛える指導の経験から培った、受かる志望理由書を書くうえで役に立つ自分の魅力を表現するテクニックを、総合型選抜(AO入試)を受験する予定の受験生に向けて紹介します。
しかし、忘れないでください!
総合型選抜(AO入試)合格に最も必要なのは
自分自身の考えを論理的にまとめて表現すること
です。
自分の人生の目標やその大学に入る強い動機、それらを決めないでテクニックだけを習得するのは、合格に向けた対策として賢明ではないと断言できます。
当塾では主に自己分析に重きを置いてサポートを進めており、テクニックを生徒に教授するのは本当に受験直前です。そのため、皆さんもぜひこの総合型選抜(AO入試)受験を通して、自分や自分の人生に向き合ってみてください!
志望理由書ってとりあえずどんなことから書いていけばいいの?というのが皆さんの本音だと思います。
まず、基本的なことですが、誤字脱字、乱雑な文字、いい加減な修正は避けましょう。
次に志望理由書の理想的な構成について説明します。
志望理由書は
志望動機
契機
問題意識
改善策
学ぶべき学問
学習計画
自己PR
からなります。
順番はこのままでもいいですが、必要な場合は一部を変えても差し支えありません。
ただし、結論を最初に簡潔に書くというルールは厳守しましょう。
以下では、志望理由書の主な構成について詳しく、見ていきます。・結論部分である「志望動機」。なぜその大学のその学部を志したのかを簡潔に。
必要以上に長く書かないようにしましょう。冗長な文章は印象が悪くなる可能性があります。
・その志望動機が生まれた契機。
志望動機が生まれた理由をストーリー立てて伝えられるとより説得力が増します。
・自分がどんな問題意識を抱えているか
志望する学部にかかわりの深い物事に関しての問題意識を持っているとよいでしょう。
わからないこと、詳しくない内容はごまかすのではなく、学校の先生に聞いてみたり、自分で調べて理解を深めましょう。
(ex.待機児童問題、人口一極集中問題)
・その問題はどうすれば改善できると考察しているか
自分独自の考え方も大切ですが、志望する大学の色にあった解決策を提示することも必要です。
・その改善策の実現にはどのような学問に取り組むことが自分には必要なのか。できるだけ具体的な内容が望ましいです。
・入学後の学習計画
実現可能な計画を立てましょう。あまりに現実離れした計画を立てると、計画性がないと評価されます。
・自己PR
自分がなぜその大学に入らなければならないのか、また、自分がその大学に入ることによってどのように社会に貢献できるのかを明確に伝えましょう。
このように、志望理由書は、結論を先、理由や具体的な内容を後にし、簡潔かつ過不足なしに書きましょう。
合格に近づくための志望動機書の書き方
さて、本題の志望理由書の書き方のテクニックにより詳しく触れてみましょう。
採点を担当する試験官に評価される志望動機書を書くには
・独自性
・ストーリー性
・具体性
・客観性
の4つの要素が必要不可欠です。
これらの要素をおさえて論理的な文章が書けることが総合型選抜(AO入試)合格の第一歩になります。
抽象的な概念なので、実際に志望理由書を書くにはどうしたらいいのかわからないという受験生も多くいると思います。
そこで、あまりよくない志望理由書の例を使って、どのような志望理由書を書けばいいか具体的に説明します。
外交官を目指すAくんのお話をしました。彼がどのような文章を書けば合格ラインに立てるのかについて話すことから始めようと思います。
例えば、Aくんの夢は外交官だとします。「小さい頃から、父の仕事の関係上、家にたくさんの外国人の方が遊びに来て、自分もお相手をすることがありました。そんな時、外国と日本をつなぐ仕事をしている父に憧れ、自分は外交官を目指すようになりました。外交官になるためには、貴学のグローバルプログラムを履修し、勉強することがどうしても必要です。貴学で、異文化理解や、外国語能力を磨き、日本と世界をつなぐ架け橋になりたいと考えます!」みなさんは、このAくんの熱い志を読んで、先ほど述べた総合型選抜(AO入試)合格要素を持っていると思いましたか?私が審査員なら、彼を取りません。その理由は1つです。外国と日本を繋げる職業に就きたい、ではただの自己満足だからです。もうすでに、海外と日本をつなぐ架け橋はたくさん存在しています。それも、有名大学出身の精鋭たちが、その重要な任務を全うしてくれています。それでもAくんが外交官にならなくてはいけない理由はなんなのか?もうすでにたくさん存在するものをまだ作りたい、は自己満足に過ぎず、社会にそのニーズはありません。「最大限社会のために活かす」という合格要素をクリアするのは、そう簡単ではありません。
つまり、総合型選抜(AO入試)で掲げる将来ビジョンにおいて、なぜあなたがそれを実現させなければならないのか、またなぜそのビジョンには志望大学での学びが必要なのかを話せない限り、合格ラインに立っているとは言えません。
かなり辛口にコメントしていますが、このレベルでは本当に合格は厳しいです。彼が夢についてまだ考えて抜いていないことも見受けられますし、何より具体性と独自性に欠けます。合格に必要な要素は、彼だからこそ掲げることができたビジョンと、彼だからこそ実現できそうな問題解決策を提示することです。
例えば、「日本と緊迫した外交関係にあるX国と、自分は小さい頃からゆかりがあって、両国のことをよく知る自分だからこそ、自国とX国をつなぐことを可能にすると考えます。小さい頃から、X国の伝統的な民謡を、何度も家族や知人たちと歌って来ました。あの歌には、一緒に歌った人と、一種の友情や絆が生まれるような特別な力がある、そう小さい頃から感じていました。そのため、この民謡をはじめとした伝統文化ををもっと日本の方にも知ってもらい、またX国にも、日本の伝統文化に慣れ親しんでもらうことで、国民という立場から、外交関係を改善させていきたいと考えます。その実現方法について、大学で勉強したいと考えています。具体的には、グローバルプログラムを受講することよって、異文化理解などを深め、さらなる国際教養を習得する。また、私はX国と日本の関係が改善するような団体を立ち上げたいと考えているため、組織運営についても勉強する必要があります。それに関しては、フィールドワークプログラムを受講し、体験学習を通して、仲間をまとめる力、アイディアを形にして行く力を伸ばしたいと考えています。自らが必要とするこれらのプログラムが揃った大学は貴学しかありません。私は、自分の夢を最短ルートで実現し、また自分の可能性を最大化させられるのは貴学のみであると判断し、志望しました。」
こう書けばどうでしょう。私がここに入れたポイントは6つ。
①独自のストーリー性が強く、状況が想像しやすい。(想像しやすいことは印象が残りやすいことや、説得力などにつながります。)
②自分のビジョンが社会問題の解決に直結している。(大学側からして、彼を入学させる大きなメリットになる)
③なぜ大学に進学したいのかが明記されている。
④高校生目線での感性(友情や絆が生まれる〜)を交える。
⑤自己実現のために必要な学問を理解している。
⑥自分の熱意と客観的考察が両立している。
ここに入れたポイントはたった一例にすぎませんが、説得性のある文章か、独自性のある文章か、この二つの要点を意識しながら作成することをおすすめします。どうでしたか。かなり実現できそう!って思った方も、ムズ......って思った方もいらっしゃるのではと思います。AO推薦入試に関心があるけど何から始めればいいか分からない、誰かの力を借りて勉強を始めたいと思う方は、お気軽にご相談ください。当塾は、当塾独自のカリキュラムと、高い合格実績があります。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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