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受験お役立ち記事

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作成日: 2020年1月20日 最終更新日:

AOIを通して自分の夢をつかむ君へ

みなさん、こんにちは! 初めまして!
京都校と大阪校で小論文メンターをしています、土田亮(つっちー)です!
僕は現在、京都大学の大学院でスリランカを調査対象地に、防災、特に洪水を防ぐための研究をしています。
大学院? スリランカ? 防災?

あまり聞き慣れない言葉だったり、それぞれがどう結びつくか見当がつかなかったりするかもしれません。
今回のコラムでは、どうして僕はスリランカで防災の研究をしているのか、そもそも僕が大学に入ろうと思った経緯についてお話をしようと思います。
そして、読んでいただいた皆さん、特に大学選びで迷っている高校生、将来様々なところで活躍したい高校生の君たちに、僭越ですが、今の僕が振り返ってみて送りたいメッセージを伝えられたらいいなと思います。

僕の高校時代と大学受験

僕は宮崎県宮崎市出身で、高校進学の際は宮崎県でトップ校である宮崎西高校の普通科に進学しました(写真は高校の校訓です)。

当時の僕は何となく化学が好きで、将来大学に入ったらいろんなことを学んで、人の役に立つものを開発して貢献したい、というざっくりとした夢を持っていました。そのため、有名トップ大学に入り、恵まれた環境の中で勉学に励み、ゆくゆくは科学者になりたいと考えていました。

しかし、受験勉強をすればするほど、また、大学情報を得れば得るほど、どんどん自分の夢を叶える大学を探すことはおろか、自分の夢が何か分からなくなり、自信がなくなる時期がありました。高校2年の時でした。

何が何だか分からなくなった僕は、ひとまず2つのことをしました。
1つは、思い切って、当時仲が良くて、とても優しい化学の先生に聞いてみました。「人の役に立つものを発明したいけれども、どういう学部を選べばよいのか?」

その時の先生の答えはこうでした。
「化学が好きな君にとって、ものを発明する、というのは大きく2つの側面があると思うよ。1つはまだ誰も発見したことのない自然現象を解明し、何が起こっているか説明すること。もう1つはそうした現象をもとに、より私たちの暮らしに身近になるようなものに作り変えること。前者は理学部、後者は工学部に当てはまるだろうね。でも、ただ発見したり発明したりしたものは、私たちの生活に馴染まないと僕は思うんだ。より人や社会を幅広く見て、これから私たちの暮らしに何が必要かを考え、仕組みを提案できるような人文社会の側面も学ぶ必要があると僕は思う。そういうことも君はこれから大学で学んで、生かしてほしいな」

なるほど、確かにそうだなと当時の僕は思いました(もちろん、今も!)。確かに、1つの側面を極めれば、それはそれで何らかの形で役に立つかもしれません。しかし、人の役に立つというのは、何が問題となっていて、何が必要なのかという課題を設定し、それを解決するためにものを作ったり仕組みを提案したりするような、幅広い知識と実践が必要だと僕は思ったのです。

もう1つ、僕は思い切って高校2年の夏に有名大学説明会に参加するため、福岡県福岡市に行きました。1つの広い会場に様々な大学のブースがあり、そこに各学部の先生がいて、高校生の夢や進路について相談に乗っていました。たくさんブースがあって、当時の僕はどこに行ったらいいかよくわかりませんでした。

そうしてぶらぶらと歩いていた僕の耳に、とてもキャッチーな言葉が入りました。
「君の学びたいことを君が設計して形にする、そんな学部がうちにあります!」
そんな学部は聞いたことないな、と思い、そのブースで立ち止まり、話を熱心に聞きました。

そこが僕の母校である、九州大学 21世紀プログラム課程(※現在は共創学部に改組改名)でした。話を聞けば聞くほど、とても魅力的で、僕の学びたいこと、つまり、ただものを発明するだけでなく、人々の文化や歴史を理解し、人々に深く浸透する仕組みやものを提案できるような学びの場があることを知りました。自分で組み立て自分のものにできる学部と仲間が九州大学にあるのだとわかりました。

行きたい大学・学部、自分の夢、学びたいこと、その学部でどんなことを学び、どんな人になりたいかをイメージできたら、僕はひたすら高校の先生と相談しながら、志望理由書や面接、小論文の練習をたくさんしました。高校3年の夏のことです(今考えると、皆さんと比べてかなり対策が遅い方ですよね)。そして、悩み考えた末に当時の僕は、水問題を解決できる科学者と実践者になりたい、と僕は志望理由書に書き、その思いを面接で熱く語ったことを今でも思い出します。

そして、合格発表の日。
僕の受験番号が合格者掲示板にありました!
当時の僕は本当に嬉しかったです。自分の夢ややる気を買ってもらったのだと思いました。
こうして、僕は晴れて九州大学 21世紀プログラム課程の学生として入学しました。
(当時、志望校を紙に書いて学校の教室に張っていて、無事合格したので花マルを書きました)

僕が大学生の頃〜大学院を意識する時まで

九州大学に入って、同期や先輩後輩、教授方がとてもユニークで、毎日議論してとても刺激的な毎日でした。一方で、自分がここで学んでいることが本当に将来生かしきれるのだろうかと不安になることもしょっちゅうありました。また、僕の学部では卒業する際に必要な卒業論文を書くのですが、僕が幅広く授業に出たりざっくりとした本しか読んでいなかったりしたからか、面白い!と夢中になって書ける論文のテーマが思いつきませんでした。大学3回生の時です。

とても悩みましたが、先生や同期と相談し、途中で僕は学ぶことを思い切って方向転換しました。これまで関心のあった水問題から都市計画に大きく変えたのです(この経緯はまたいつかどこかでお伝えできたらと思います)。方向転換してからは、気持ちを切り替え、様々な論文や専門誌、難しい本を読んだり、先生と議論したり、研究の成果を発表したりしました。ありがたいことに、学生の特権というのでしょうか、専門分野を学んだり、誰かに発信したり議論したりする機会をたくさんいただいたこともあり、僕にとって大学という学びの場はしっくり来ました。

そこでふと、この大学を出てから僕はどこで何をしたいのかを考えるようになります。一番に思いつくのは「就職」だと思います。しかし、当時の僕には、これまで自分が学んだことが本当に仕事で生かせるのかどうか不安だったし、何より何だか魅力的に見えませんでした。何も就職を悪く言っているのではありませんが、当時の僕が働いたら何かに貢献できるのかあまりピンと来なかったのです。どちらかといえば僕は学んだことや実践したことを武器に、多くの人と協働しながらより良い未来を提案するような、もっと面白くてクリエイティブなことを自分で見つけたいと思いました。

そこで、大学院という場所を教授から教わります。大学院はざっくり言えば、大学の延長線上にあり、より専門分野を極め、一人前の科学者を育てる場所です。学部の時は都市計画を学んである程度満足したのですが、それでも、高校生の時に書いたような、水問題を解決する科学者と実践者になることに対する熱い想いを捨て去ることはできませんでした。

そこで、僕は大学院でもう一度水問題を学び直したいと考えました。そして、水問題の中でも、特に近年社会問題にもなっている台風や洪水災害をどのように防ぎ、どのような復興が望ましいかについて研究したいと思い始めました。

大学院、そして、スリランカ

こうした経緯があり、僕は京都大学大学院総合生存学館に入学しました。なんだか難しい名前ですが、要するに、グローバルな問題を研究と実践の両軸を通して解決するためにできた大学院です。ここには僕のように防災を研究する人もいれば、難民問題、国際政治経済、エネルギー、AI、超高齢社会など幅広い学問分野や社会問題を専門とする学生や教授がいます。

最初に話したように、僕はスリランカで洪水災害を防ぐための研究をしています。

スリランカが調査対象地になったのは、きっかけがありました。ちょっとした偶然です。大学院に進学し、防災を学びたいという思いがあった一方で、どの地域で何の災害に着目するのか迷っていた時期がありました。

その時、九州大学にいた時にお世話になっていたスリランカの人(60歳過ぎくらいの男性で、国際機関の元トップでした)と久しぶりに福岡市でお会いしてお話しする機会をいただきました。そこで「スリランカでは豪雨による洪水や土砂災害が社会問題になっている。君はスリランカに行った経験があるから、ぜひ恩返ししてみたらどうだ」という提案をいただきました。

少し話は戻るのですが、僕は学部3回生の夏に国際協力リーダー育成プログラムに参加するため、スリランカに2週間滞在しながら現地の人たちが何を考え、何ができるのかを見聞きし考える機会をいただきました。そこで得たものは僕にとってとても大きく、視野が広がりました。そう考えると、スリランカの人たちにその恩を、僕が防災を研究することで人々の生活に何らかの形で役に立ちたいと思うように至りました。そうして、僕はスリランカを調査対象地として選び、研究と実践をしています。

ちょっとだけ、僕が現在やっていること、これからやっていくことを簡単に紹介したいと思います。
僕の研究スタイルとして現地を訪れ、人々とお話しすることがメインです。英語ももちろんですが、現地語であるシンハラ語(スリランカの公用語の1つ)を現地の人から学びながら、駆使し、災害の時、何が起きてどのように対応したのか、何が課題だったのかをお話をしながら整理していきます。時には、彼ら彼女らの生活を観察したり、現場の模様を写真にしたり、どれくらい洪水が襲ってきたのかを計測してどのくらいの確率で起こるものなのか計算したり、現地の新聞や本を読み漁ったりと、様々なことをしています。

ですので、必然的に、彼ら彼女らの生活に長く時間をかけて深く密着する必要があります。そして、そこで浮かび上がってきた課題を解決するためには、例えば、現地に根付くような防災教育システムを提案し、現地の人たちと対話をしながら実践する必要があるでしょう。これらがこれから僕のやりたいことです。

スリランカの災害、社会問題を通してこれからの防災のあり方を考える。これは近年日本でも水災害が問題になっているので、僕が現在スリランカで研究したことが将来もしかしたら日本の防災、また皆さんにとって役に立つ時代が来るのかもしれませんね。

AOIで学ぶ人、AOIで学びたい人に伝えたいこと

話が長くなりましたが、僕でさえも自分の夢を描くこと、掴むことはなかなか難しかったです。ましてや、高校生であるみなさんは今その岐路に否応なく立っているので、何が学びたいか、将来どうしたいのか、決断することはことさら難しいでしょう。

志望理由書に自分の想いや夢を書くことは途方も無い作業です。でも、高校生の時に紙に書いた僕の夢は、巡り巡って、本当に僕がやりたいことに繋がったのです。そこに道標があったからこそできたことだと僕は思います。

僕は、今進路や夢を決断する時に巡り合った皆さんは幸運だと思います。
新たな自分、場所へ挑戦するための大事なステップです。
そこでは困難や挫折を経験するでしょう。
しかし、その努力は必ず報われます。世界は皆さんの挑戦を見ています。
安心して、果敢に挑戦してほしいのです。
そのために、AOIで学ぶみなさん、あるいは、AOIでこれから学びたいみなさんには、枠にとらわれず、主体的に行動と思考を常に続けて欲しいと思います。
その先に自分の本当にやりたいことが見つかるはずです。

僕の好きな言葉に"No Pressure, No Diamond."という言葉があります。
自分に磨きをかけなければ、自分で重いプレッシャーをかけなければ、それだけ自分の夢に輝きを得ることはできない、ということです。皆さん一人一人やそれぞれの夢は何にも代えがたい原石で、どんなに最初は荒削りでも、磨き続ければ立派な宝石になるのです。だからこそ、何事にも挑戦してほしいのです。そして、その度に自分で考え、行動してほしいのです。

僕には夢があります。みなさんの夢は何ですか?
一緒に未知なることに挑戦しませんか?
AOIで待っています!

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この記事を書いた人

AOI編集部 編集長

総合型・学校推薦型選抜(AO入試・推薦入試)の専門塾として 業界No.1の合格率を誇るAOIの編集部です。 「受験生や保護者のためになる記事を作る」がモットー

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