作成日: 2020年6月30日 最終更新日: 資格/実績
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総合型選抜の募集要項を、各大学が発表し始めました。近年ではどの大学・学部も英語能力を証明する資格などの提出を求めています。また、大学共通テストなどでも英語外部試験が認められるようになりました。この英語試験に関連して、CEFR(セファール)という基準がよく使われるようになっています。
今回はこのCEFRとは何か、総合型選抜ではどう使われるのかについて解説します!
それでは、CEFRについて解説をしていきます。
CEFR (セファール)とは、Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠のことです。外国語学習者の4技能:聞く・話す・読む・書くの能力や修得状況を評価するために用いられます。A1・A2・B1・B2・C1・C2という6段階のレベルに分かれています。
2021年度から大学入試センター試験に代わり導入される「大学入学共通テスト」において、2019年11月に延期・再検討が決定されたものの、英語の民間試験の活用が予定されていました。それに伴い、英語の聞く・話す・読む・書くの4技能を適切に評価するために文部科学省から、英語の資格・検定試験とCEFRの対照表が発表されました。参照表に記載があるものは、
―ケンブリッジ 英語検定
―実用英語技能検定 1級-3級
―GTEC Advanced/Basic/Core/CBT
―IELTS
―TEAP
―TEAP CBT
―TOEFL iBT
―TOEIC L&R/ TOEIC S&W
です。
しかし、TOEICが大学入試英語成績提供システムへの参加を取り下げるなど、この参照表に記載されているものがすべて大学入学共通テストの英語外部試験への参加を認められている試験ではなく、注意が必要です。
6段階に分かれているレベルのうち、IELTSなどの英語試験を実施しているブリティッシュ・カウンシルはそれぞれ
A1・A2 ―基礎段階の言語使用者
B1・B2―自立した言語使用者
C1・C2-熟達した言語使用者
と表現しています。
出典:「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」(British Council)<https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/4skills/about/cefr>
文部科学省が発表している各資格・検定試験とCEFRの対照表は以下の通りです。
※2021年4月6日時点で公式から削除されているので参考までにご利用くださいますよう何卒よろしくお願いいたします。
出典:「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」(文部科学省)<https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf>
総合型選抜の入試において、このCEFRを異なる英語試験のスコアを測る共通枠として採用している大学に、関西学院大学があります。
関西学院大学の総合選抜入学試験では出願資格として、大学が指定する英語検定試験のスコアについて
文系学部―CEFR B1レベル以上
理系学部―CEFR A2レベル以上
の能力を証明する英語検定試験のスコア表もしくは合格証の提出を求めています。
ただし今年度に限り、関西学院大学は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、CEFR A2レベルと同等の能力があることを、在籍する高等学校から証明を受けた受験生についても出願を認めています。
出典:「総合選抜入学試験」(関西学院大学入試情報サイト)<https://www.kwansei.ac.jp/admissions/admissions_015098.html>
(最終閲覧日2020.06.27)
このように総合型選抜で提出を求められる英語検定試験について認められる試験が複数ある場合、それらを統一して測る指標や英語能力レベルの目安として用いられることがあります。
関連記事:『総合型選抜(旧AO入試)を導入している全国の大学一覧まとめ|大学別の特徴も紹介!』
CEFRは、それぞれの個別の英語試験で測られる英語能力の点数や級の相応レベルを見るための共通の基準ですので、例えば、「スコア型の英語試験で、CEFRでワンランク上のレベルに認められる点数を狙うために表を参照する」「英検準一級以上を提出等の規定が募集要項に載っていて取得を目指す場合、自分が英検以外のスコアを持っているときに自分の現在の実力を把握するために使う」などの使い方が考えられます。また、各種英語試験によって試験形式や評価方法、試験日程や検定料等が異なるため、「CEFRの6段階のレベルにおいて目標スコア・級への到達が自分にとって比較的容易である検定を受験する」などの方法も考えられるでしょう。
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受験する大学によって指定されている英語資格・検定やレベルは異なりますが、今回は例として上に挙げた関西学院大学について、2021年度の総合選抜入試受験生がどう対応するべきかについてお話しします。
(2020.06.27記載)
総合型選抜では、例外はありますが関西学院大学のように、多くの大学がCEFRのB1以上の英語能力を求めています。CEFRにおけるB1レベルとは、文部科学省が発表した各資格・検定試験とCEFRとの対照表において、ケンブリッジ 英語検定140-15、実用英語技能検定 2級-準1級、GTEC 960-1189、IELTS 4.0-5.0、TEAP 225-308、TEAP CBT 420-595、TOEFL iBT 42-71、TOEIC L&R/ TOEIC S&W 1150-1555に相当します。
2021年度入試では、新型コロナウイルスの影響により多くの英語試験が延期や中止となりました。民間英語試験を受ける機会を損なわれた受験生、スケジュールが変更となったことで目標とする級やスコアの変更を余儀なくされた受験生などがいるでしょう。
このような事態を受けて先ほど述べた通り、関西学院大学ではCEFR A2レベルと同等の能力があることを、在籍する高等学校から証明を受けた受験生についても出願を認めています。今後他にも同様の措置を取る大学もあると考えられます。
受験生については、総合型選抜に向けて新たに各資格・スコアの取得を目指す場合以下の4通りが考えられます。この場合の「英語力がある」とは、今回CEFR B1相応の英語力があることを指して説明します。
① 英語力があり、試験も間に合う
→英検の2級の1980点以上、もしくは準1級の取得を目指しましょう。
② 英語力があり、試験が間に合わない
→在学する高等学校の担当の先生に相談し、英語力の証明をもらいましょう。
③ 英語力がなく、試験には間に合う
→英検の準2級取得、もしくはIELTSの受験を検討しましょう。
④ 英語力がなく、試験も間に合わない→英語の勉強をし、学校の英語課題もきっちりこなしたうえで在籍する高校の担当の先生に相談し、英語力の証明をもらいましょう。それが難しければ、英語資格の不要な他の大学を検討する必要があります。
先述の場合分け・行動指針については、総合型選抜の英語資格において高校からの証明を認める措置を取る他の大学についても有効です。また基準がB1 レベルでない場合は、級やスコアについてCEFRの対照表を参考にして考えることも可能です。また、英検とIELTSの2つを挙げましたが、認められる英語試験は他にもあります。各種英語資格・検定の特徴やどの資格を取得するべきか等については以下の記事にて紹介していますので、是非参照してください。
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今後、CEFRを導入する大学は増えるでしょう。また、CEFRについて募集要項に記載がなくとも、複数の英語資格の提出を認めている大学の場合、各受験者の英語能力についてCEFRを参照して評価していると考えられます。受験生の皆さんは、英語資格検定が予定通りに取得できない等の困難があると思われますが、例に挙げたような行動指針を参考にして目標の級やスコア取得に向かって、頑張ってください。応援しています!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!