作成日: 2020年11月19日 最終更新日: 高校入試
高校の推薦入試は一般入試に比べハードルが高いです。
しかし、その制度を利用すれば、過酷な受験勉強をせずに高校入学の切符を手に入れることができます。
私自身が推薦入試で都立高校に合格しました。
その要因を改めて考えてみると「良いモチベーションをキープできたから」ということがわかりました。
今回は推薦入試合格を目指す中学生のために、「モチベーション」の視点で、推薦入試合格への道筋を示していきます。
「内申点が高くないと受からないんじゃないか?」
「面接でインパクトを残さないと受からないんじゃないか?」
推薦入試となると、こんな言葉が頭をよぎるのではないでしょうか?
そうなると「勉強しなきゃ」とか「面接練習しなきゃ」ってなりますよね?
しかし、ここは1度冷静になりましょう。
確かに内申点も面接での振る舞いも大事ですが、その前提には「モチベーション」が必ずつきまといます。
関連記事:【高校推薦入試】内申点の換算方法
モチベーションの辞書的な意味はこちらです。
・人が何かをする際の動機付けや目的意識
「何のために勉強するのか?」
「何のためにその高校を受験するのか?」
「その高校でなにがしたいのか?」
そもそも推薦受験する・しないの問題ではなく、その大前提の目的や目標がはっきりしないと行動に移せません。
なので、今日は「目的や目標を定めて行動するためのモチベーションの作り方」をお伝えします。
ここからは具体的な「目的や目標を定めて行動するためのモチベーションの作り方」を紹介します。
1つ目は「高校の部活や文化祭を見せる機会を与える」ということです。
これは「なぜその高校を受けるのか?」という部分を明確にしようということです。面接においても面接官から必ず問われます。
人間の意思や行動を決める大きな要因は「感情」です。高校の部活の試合を見たり、文化祭にいくことによってその学校の雰囲気を感じ、自分が「その高校で何がしたいか?」ということを明確にすることができます。
私の実体験だと、中学1年生の時に母校が甲子園に出て、野球を通じて先輩方が多くの人を魅了する姿を見て、受験することを決めました。自分がユニフォームを着て試合に出る姿をイメージして、「あの高校で野球がしたい」という気持ちが芽生えました。
今は高校の部活や文化祭に行かなくても、高校自体がS N Sやネットでの配信がやっているので、自宅からでも容易にその高校の雰囲気を感じることができます。
YouTubeであったり、ツイッターやFacebookで行きたい高校名で検索をかけると、在校生もそうですが、卒業生もどんな人がいるのか知ることができます。
もし現状で行きたい高校がはっきりしない受験生は、興味のある高校をいくつかピックアップして、部活を見に行ったり、文化祭に足を運んだり、S N Sやネットで情報を集めることをお勧めします。
そして自分が行きたい学校は早めに一度決めてしまった方がいいです。その方が勉強する目的になるし、そもそも3年生から一生懸命やり始めても、推薦入試での合格は難しいです。
勉強習慣をその1年だけいきなり変えるというのも難しいし、結果的に推薦入試に必要な内申点は「中学1年生の時からの積み重ね」で決まるものだからです。
この部分はどちらかというと保護者目線の話になります。行きたい高校への目的が明確になったところで、次の問題は内申点となります。ここは受験生の皆さんが一番頭を抱える部分でしょう。
なかなか「勉強が好き」と本気で言える学生は少ないのではないかと思います。私もそうでした。
しかし、これも受験する高校を決めることと同じで、勉強する理由をはっきりさせることが大切です。その上で有効な手段が「勉強の対価を与えること」です。
これは定期テストを使って実践することをお勧めします。「勉強の対価」が明確になれば子供の勉強に対するモチベーションは一気に上がります。
しかし、保護者から一方的に「勉強しなさい」と言われて素直に始める子もいれば、めんどくさいと思って逆に全然やらなくなるというお子さんもいます。お子さんも思春期で保護者への反発も強く非常に難しい時期でもあるからです。
なので、その勉強に対するバリアを取り除くきっかけを保護者から勉強の対価という形で与えること、もしくはお子さん自ら保護者に勉強の対価を提案することが重要です。
では、「対価」は何をあげたら良いでしょうか?一番簡単なのは、お子さんが望むものを与えることです。欲しいものを与える、行きたい場所へ行く、別に高価なものじゃなくていいし、「手の届きそうで微妙に届かない」くらいのものでいいと思います。
ただ受験生視点に立つと、本当に親の力を借りないと買えないビックプレゼントを狙うんだったら「テストの平均90点とるから◯◯買って!!」といった切り口で攻めの提案をするのも大いにありです。それでその条件を達成した時に「喜び」や「達成感」で勉強に対する抵抗がなくなっていきます。お子さんが勉強を「ゲーム感覚」で勉強をやれるようになったらなお理想です。
そうすれば自然と内申点も上がっていきます。
ちなみに私は中学2年の時にどうしても携帯電話が欲しくて、「平均70点取るから携帯買ってくれ」と親に提案し、テスト期間に本気で勉強して携帯電話を買ってもらいました。そこから勉強することに抵抗がなくなり、「テスト期間は本気で勉強しよう」と自ら思うようになって、内申点も着実に上がっていきました。
勉強することへの抵抗を取り除くことが推薦受験合格への近道となります。
さて、勉強に対する抵抗が取れて、内申点も徐々に上がっていったとしましょう。お子さんは目標を達成して喜びを味わっているかと思います。
しかしそれが長続きするとは限りません。「燃え尽き症候群」に陥るお子さんも出てきます。これを予防するには保護者から褒めてあげることが大切です。
例えば、自分で料理を作った時、もちろん自分で作ったから自分自身はおいしいと感じるはずです。しかし、それを周りの人に食べてもらって、その人から褒められた方が喜びは大きいですし、「また作ってあげよう」、「もっと料理上手くなろう」って思うはずです。
勉強も同様で、勉強の対価を決めて、お子さんが達成した時は、保護者はお子さんを全力で褒めましょう。
一方で、お子さんが取り決めた目標を達成できなくても良かった部分は褒めてあげるべきです。前回と比較してみると1つくらい良くなっている教科もあるはずです。
あと、保護者は結果がよかろうと悪かろうと、お子さんが「テスト期間に一生懸命頑張っている」と思ったら、その勉強に向かう姿勢を褒めてあげてください。お子さんはそういった思いやりのある一言が力に変わります。
「もっと勉強頑張ろう」「次は良い点とろう」、そうやってお子さんに思ってもらえるような一言をかけてあげましょう。
ここからは面接対策について紹介します。
面接官は「あなたのありのまま」を見定めます。
つまり、あなたの個性、「あなたにしかないもの」を見定めて、その高校にふさわしいかどうかが判断されます。
なので、この時間がたっぷりある中学生のうちに「熱中できること」を見つけることが重要です。自分の個性は基本的に日常生活全てが関わり、学校生活・そして私生活から人間性が形成されます。この時期の人間関係もとても重要です。
勉強、部活、ボランティアなどジャンルは何でもいいです。家の手伝いを最優先するとか身近なことを一生懸命やってもいいと思います。
熱中するということは、熱中する理由が必ずあります。「楽しい」っていうのも立派な理由です。
そうすれば「雰囲気が楽しそうな高校に行こう」とか入学した後の楽しみを味わうために勉強を頑張る理由になります。目的が具体的である事に越したことはありませんが、感情的なことでも、その深掘りをすることで明確な受験理由になり、面接で使える有効なネタが出来上がります。
先ほど「何かに熱中する理由」について触れました。
ここからそれを深掘りするための行動として「日記を書く」ということをお勧めします。
私の中での深堀の定義は、その事柄に対し「なぜ?」を繰り返すことです。人間には喜怒哀楽という感情があります。この喜怒哀楽も必ず理由があります。例えば私が「文章を書くことが楽しい」とします。そこから「なぜ楽しいのだろうか?」と考えると、「読んだ人から喜ばれるから」ということが思い浮かびます。
さらに、『なぜ?』を繰り返すと、「喜ばれると達成感が味わえるから」、「人の考え方に新しいきっかけを与えられたから」、「感謝されたから」といった形で日常の出来事をノートで深掘りしていきます。
そして最後にまとめると「自分は人のために行動したり、感謝されることが好きな人間」ということがわかります。面接では今までの人生のエピソードを話した上で「高校で自分の価値観に基づいて何がしたいか」を伝えれば、面接官もあなたの人間性を理解してもらえて、好印象を与えることができます。
この深掘りの技術を覚えると、たとえうまくいかないことがあったとしても、なぜうまくいかなかったか深掘りすることでその原因・改善点が明確になり、モチベーションを維持することにも繋がります。
そういった意味で、日記を書いて物事を整理するのは非常に大切です。
推薦入試は学力と人間性、双方で判断される非常に難しい試験です。そして自分自身でモチベーションが維持できれば理想ですが、勉強するにしても、何かに熱中するにしても少なからず保護者や先生、周りの友達の協力が必要になります。しかし、モチベーションを保ちながら受験する目的や自分自身をしっかりと理解することができれば、面接だけで高校入学が決まる非常にお得な受験方法です。そして「みんなの力で合格できた」という大きな喜びも味わえます。
今日お伝えしたお話も参考にして、ぜひ推薦入試にチャレンジしてみてください。