作成日: 2020年12月3日 最終更新日: 高校入試
高校入試には2月末に学力検査が行われる一般入試のほかに、少し前の時期に行われる推薦入試があります。
推薦入試を受験できるのであれば受験したい…、早く合格して精神的にラクになりたい…などの考えから、推薦入試を視野に入れる受験生も少なくありません。
最終的な志望校合格のためには戦略を立てることが不可欠です。
入試制度をよく理解し、自分の現状を分析したうえで、道筋を明確にしていくことが大切です。
そこで今回は、推薦入試と一般入試の関係性、どのように考え受験勉強を進めて行くべきかについてまとめていきます。
推薦入試は一般入試に先立って、日程的には先に行われます。
都立高校の推薦入試には、「文化・スポーツ等特別推薦」と「一般推薦」があります。
どちらも、調査書以外に作文・小論文や集団討論、面接試験などで合否が決められます。
調査書の割合上限は50%に設定されています。
合格可能性を高める、チャンスを増やすためにも推薦入試の受験を検討する余地はあります。
ここで問題となるのは、推薦入試の対策に全力を注ぎ、一般入試の準備をおろそかにしてよいかということです。
結論を申し上げると、学力検査のための勉強は継続して行う必要があります。
たしかに、推薦入試に向けた準備は多岐に渡り時間がかかります。
労力もかなり使うことになるでしょう。
もっとも、推薦入試での合格は容易ではありません。
定員も少なく、合格の難易度は高いと言えます。
推薦入試受験に絞るのではなく、一般受験も見据えながら準備をしていくことが必要です。
調査書の割合上限は50%というお話をしました。
そして調査書のうちの多くの割合を占めるのが内申点です。
中学校でいわゆる成績評価がなされる教科は、英語、国語、数学、理科、社会、保健体育、技術家庭、音楽、美術の9教科です。
主要5教科(英語、国語、数学、理科、社会)と実技4教科(保健体育、技術家庭、音楽、美術)に分けられますが、調査書にはこれら9教科の内申点がすべて反映されます。
言い換えると、主要5教科ができる=勉強が得意だけでは足りず、オールマイティさが求められます。
都立高校の推薦入試では、原則として集団討論と個人面接が実施されます。
集団討論では、5~7人程度のグループで約30分程度、1つのテーマについて議論します。対して、個人面接は、1人10分程度で行なわれます。。
面接試験では要約すると、コミュニケーション能力、思考力・判断力・表現力、協調性・積極性・リーダーシップといった観点で点数化されます。
集団・個別共に練習をして慣れていく、自分の型を作る必要があります。
都立高校の推薦入試では、作文や小論文試験が課されるところも多いです。
作文・小論文の配点は、調査書などに比べると低いですが、しっかりと対策をする必要があります。
そもそも、作文と小論文とでは求められることが異なります。
端的に言えば、作文では個人の経験や考えを元に主観的にものごとを述べることが求められるのに対し、小論文では与えられた資料や文章を元に客観的に分析し記述することが求められます。
書き方や内容面について添削を受けてレベルアップしていく必要があります。
推薦入試は積極的に活用すべきです。
特に内申点をしっかりととっている中学生、志望理由などが明確になっている中学生は受験すべきです。
一般入試一発勝負を避け、チャンスを増やすことができます。
定員は少ないとはいえ、倍率自体はさほど高くはありませんので、しっかりと準備をすることにより、合格可能性を高めることは可能です。
中学生は学校行事や部活動が忙しく、なかなか受験モードに入らない、受験モードに入るのが遅くなってしまう傾向があります。
定期テスト前に初めて本気になるという中学生も多くいることでしょう。
この点、推薦入試は一般入試に比べて早い日程で行われますので、一般受験のみの場合に比べて早く受験モードに入ることが可能です。
作文・小論文の練習が国語力アップにつながるなど、メリットも多々あります。
推薦入試は、合格可能性を上げる、チャンスを増やすという意味で積極的に活用すべき入試形態です。
志望校の選別方法、配点などをしっかりと調べて、合格のためのスケジュールを立てる必要があります。
作文・小論文を書くこと、集団討論・個別面接の練習をするなど、準備は多岐に渡ります。
計画的に進めて行かなければ合格を勝ちとることは難しいでしょう。
コツコツと出来ることを継続していきましょう。