作成日: 2020年12月3日 最終更新日: 高校入試
高校入試は推薦入試と一般入試での合格が可能ですが、中学校3年次の成績(内申点)が必要です。
合格のためには、試験本番で高得点をとることが求められますが、前提として内申点が各学校の目安となる基準に見合っている必要があります。
志望校を決め、どの程度の水準が求められるかを知り、しっかりと対策をしていく必要があります。
そこで今回は、内申点の計算方法や偏差値との関係など、内申点に関連する事項についてまとめていきます。
一般受験の学力検査では、いわゆる主要5教科(英語、国語、数学、理科、社会)の試験が課されます。
ゆえに、前提となる内申点もこの5教科のみが必要とも思われますが、実際は異なります。
中学校で成績評価がなされる教科は、主要5教科に加えて、保健体育、技術家庭、音楽、美術の9教科です。
高校側に提出する調査書で必要とされる内申点は、実技4教科(保健体育、技術家庭、音楽、美術)も合わせた9教科合計となります。
先述の通り、都立高校受験では中学3年次の内申点が重要となりますが、具体的な計算方法には注意が必要です。
ポイントは、実技教科の成績は2倍で計算されるということです。
たとえば、数学の成績が5段階評価で5の場合、数学の内申は5のままですが、音楽の成績が5の場合には、2倍がされて10と計算されることになります。
ゆえに、主要5教科(5教科×5)+実技4教科(4教科×5×2)=65点満点で計算されることになります。
いわゆる勉強ができる=主要5教科ができる、だけでは足りず、実技教科についてもしっかりと対策をし内申点を上げていく必要があります。
少し具体的に見ていきます。
Aさんは主要5教科が全て5で実技4教科がすべて4、対してBさんは主要5教科が全て4で実技4教科が全て5だとします。
内申点は以下のようになります。
Aさんの内申点=主要5教科(5教科×5)+実技教科(4教科×4×2)=57点
Bさんの内申点=主要5教科(5教科×4)+実技教科(4教科×5×2)=60点
AさんとBさんとでは、5段階評価の5の教科数がAさんの方が多いですが、結果としてBさんの方が内申点が3点も高くなっています。
このように、主要教科、実技教科のどちらでよい成績をとるかにより総合成績が変わってきます。
総合的な対策が求められますね。
受験においては偏差値という考え方が出てきます。
この偏差値と内申点は基本的には相関します。
おおよその目安ですが、偏差値70で内申60、偏差値60で内申50、偏差値50で内申42、偏差値40で内申36ほどと考えておきましょう。
高校入試では、内申点と入試本番の成績で合否が決まります。
とすると、偏差値は1つの目安に過ぎず、求められている内申点をしっかりとり、それを前提に入試本番でどれだけの点数をとらなければならないかを計算していくことになります。
また、高校の入試問題は一部の学校を除いて学校ごとに差があるわけではなく共通です。
それゆえに、どれだけの点数がとれるかが計算しやすいと言えます。
まずは内申点を高めることを念頭に置き対策をしていくことが必要ですね。
ネット上には、目安となる内申点が公開されています。
目安に過ぎませんが、過去のデータからの数値であり信用のおけるものです。
ここで注意すべきは、求められる内申点の男女差です。
一般に、求められる内申は男子に比べ女子の方が3~4高くなっています。
都立高校入試では、男女別で定員が設けられています。
ゆえに、受験者全員を点数順に並べて上位から合格を出していくわけではありません。
必要な内申点は男女で異なりますので、しっかりと調査し準備をしていくことが必要です。
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どうして男女差が生まれるのか。
さまざまな分析がなされますが、中学生においては、男子よりも女子の方がコツコツと計画的に進める傾向が強いことが1つ挙げられます。
内申点は、中間テストや期末テストの成績だけでなく、提出物の提出状況、授業態度、積極性などを総合的に加味して決まります。
ゆえに、コツコツと進められるタイプの人が成績をとりやすくなります。
こうした事情が背景にあると考えられますね。
高校入試での志望校合格には、内申点対策から学力検査対策に至るまで総合的な対策が求められます。
志望校選びのポイントはさまざまです。
通いやすさ、部活動、校舎のきれいさなど重視する点は受験生ごとに異なります。
もっとも、最終合格をするためには、中学1年生や2年生といった非受験学年時から先を見据えて準備をすることが大切です。
コツコツと出来ることを進めていきましょう。