作成日: 2019年3月10日 最終更新日:

京都大学法学部に特色入試で合格するには?

京都大学法学部特色入試

京都大学法学部の特徴

教育目標

京都大学公式ホームページでは、法学部の教育目標を次のように定めています。 「京都大学法学部では、自由の学風の下、豊かな教養を涵養し、国家・社会の制度や組織の設計及び運営等に必要な法学及び政治学等の基本的知識の修得並びに思考力、判断力、構想力及び表現力等の育成を図り、グローバルな視野から、法、政治、経済及び社会を多面的かつ総合的に捉え、多様な価値観や文化を尊重し、地球・自然環境に配慮しつつ、多元的な課題の解決に取り組み、人々が協働し共に生きる社会の実現に貢献できる優れた能力と高い志を備えた人材を養成することを教育目標としています。」

アドミッションポリシー

京都大学公式ホームページでは、法学部の求める学生像を次のように定めています。 「21世紀に入り、世界も日本も大きな転換期を迎えており、それに伴い様々な問題が生じています。こうした状況に対応して、世界の中での国家や社会のあり方を考え、これからの豊かな人間社会を構築していくためには、人間・社会・歴史に対する深い洞察力を基礎として、法律と政治の仕組みに関する専門的な知識を備え、社会全体を視野に入れながらそれらを組み合わせる構想力を有し、国家・社会についての制度設計や組織運営に指導的にかかわっていくことのできる人材の育成が不可欠となります。また、地球規模での交流が活発となっている今日、文化の多様性を尊重し、グローバルな視点のもとで法と政治、経済、社会の問題を捉え、人々の協調する平和な社会の実現に貢献できる国際感覚あふれた教養人が求められています。こうした能力を備えた人材を育成するために、法学・政治学の基礎的・原理的知識を提供するとともに、国際感覚を養い、現代社会にふさわしい総合的な知見を修得させる目標に世界・国家・社会の様々な問題に対する強い関心を持ち、多方面にわたる学力、とりわけ社会科学に関する基礎的な学力を備え、論理的思考力にすぐれた学生を求めています。」

法学部の学習環境

京都大学法学部には、法学や政治学を始めとした多様な分野の教授陣が揃っており、教員は日本でも最高水準の研究能力、豊富な指導経験、豊かな実務経験、高い識見などを備えています。 導入科目から基礎的科目、発展的科目、さらに実務関連科目や英語による科目まで、多彩な講義を開講しており、学生は各自の関心に合わせて履修できる自主性を尊重したカリキュラムを選択できます。

留学制度

京都大学では、「派遣留学(交換留学)」制度があり、アメリカ、ヨーロッパ、アジア等各国の提携大学に留学することができます。さらに、学内は交際交流サークルもあり、京都大学への留学生との交流を深めることもできます。

図書室

京都大学法学部図書室の蔵書は、2017年3月時点で和書約32万冊、洋書約39万冊の合計約71万冊です。構成は法律学と政治学の全ての分野に渡り、その資料的価値は全国屈指です。

法学部の主な進路

卒業後の進路は、弁護士、裁判官、検事などの法曹関係はもちろん、研究者、公務員(地方・国家)、国際機関職員、また、金融機関やマスコミ関係、商社など、多岐にわたっています。

京都大学法学部特色入試の概要

出願資格

京都大学公式ホームページでは、法学部特色入試の出願資格を以下の通り定めています。 次のいずれかに該当する者で、平成31年度大学入試センター試験において受験を課す教科・科目のすべてを受験した者。
  1. 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び平成31年3月卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を終了した者及び平成31年3月修了見込みの者
  3. 外国において学校教育における12年の課程を修了した者及び平成31年3月31日までに修了見込みの者、又はこれに準ずるもので文部科学大臣の指定したもの
  4. 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程又は相当する課程を有するものとして認定又は指定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び平成31年3月31日までに修了見込みの者
  5. 文部科学大臣が指定する専修学校の高等課程を文部科学大臣が定める日以降に修了した者及び平成31年3月31日までに修了見込みの者
  6. 文部科学大臣の指定した者(昭和23年文部省告示第47号-大学入学に関し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者の指定-)
  7. 高等学校卒業程度認定試験又は大学入学資格検定(大検)に合格した者及び平成31年3月31日までに合格見込みの者で、平成31年3月31日までに18歳に達するもの
  8. 本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、平成31年3月31日までに18歳に達するもの

募集人員

20名(後期日程)

試験の日程

インターネット出願登録・入学検定料納入期間:平成31年1月21日(月)~2月6日(水) 出願期間:平成31年1月28日(月)~2月6日(水) 第1次選考合格者発表:平成31年2月28日(木) 試験実施日:平成31年3月12日(火) 合格発表:平成31年3月23日

選考方法

法学部の特色入試では、提出書類、大学入試センター試験、小論文試験の成績を総合して合格者が決定されます。 第1次選考は大学入試センター試験と調査書の成績により行われ、募集人員の15.0倍程度を目安として合格者が選抜されます。 第2次選考は、第1次選考に合格した者に対して行われ、大学入試センター試験と小論文試験の成績により選考されます。小論文試験は、日本語と英語の文章を題材として、読解力、論理的思考力、表現力などについて評価されます。

京都大学法学部特色入試の対策とは?

センター試験対策はしっかりと

センター試験は一般入試では非常に重要ですが、特色入試においても重視されます。 第2次選考の配点は、特色入試センター試験270点、小論文100点とセンター試験の比重が前期試験よりも高く設定されています。

調査書、学業活動報告書について

京都大学法学部の特色入試では、高大接続を重んじるという観点から、高等学校での学修における行動や、成果を丁寧に評価しています。出願時に調査書に加え「学業活動報告書」や「推薦書」を提出しますが、ここには出願者の高校在学中の際立った活動歴や受験科目以外に学んだことは何か、どのような活動をしてきたかなどが書かれます。生徒会活動やクラブ活動、留学経験、ボランティアなど身近なエピソードを記載する受験生が多い傾向があります。

小論文対策

特色入試は2016年より開始された歴史の浅い入試で過去問も少ないため、小論文対策に悩む受験生は多いです。 小論文の課題は、平成30年と29年では、2つの課題が出題されました。 1つめは英文で書かれた課題文1を読んで解答するもの、2つめは課題文1を元に課題文2と課題文2に関連した課題文3を読んで自分の見解や著者の考え方を解答するものです。 過去問は十分な量が確保できないため、他大学の過去問や対策書を利用しましょう。 また、新聞やニュースで社会情勢を知り、社会についての基礎知識を付けましょう。時事問題や世界情勢などをまとめた専門書などもあるので、しっかりと興味を持って読み込みましょう。 自分の意見、見解を求められることが多いので、しっかりと課題文を読み、問題文を読み、書くべきポイントをメモして整理した内容を書き込んでいきます。 課題文は英文も日本文もボリュームのある文章で、解答の文章も文字数が多くなっています。演習する際には、どのくらいのスピードで課題文を読み、解答にどのくらいかかるのか、時間配分に気を付けて行いましょう。 選考方法にも記述した通り、読解力、論理的思考力、表現力が求められます。論理的な文章を書く対策書を利用し、考え方の引き出しを増やしておく必要があります。自分の考え方を書き出すというイメージで練習しましょう。

京都大学法学部特色入試の過去問

京都大学公式ホームページより、法学部特色入試の過去問をご紹介いたします。

平成30年度

問1

課題文1において、女性をめぐるどの様な状況が問題となっているのかを600字程度で説明しなさい。

問1

課題文2が述べる日本の生命倫理に関する問題点と、課題文3において展開されている「ワーク・ライフ・バランス」の考え方をふまえながら、課題文1が描く問題への対応の仕方について、あなたの見解を1000字程度で述べなさい。

平成29年度

問1

課題文1においてdesignという活動の在り方について、筆者がどのように考えているかを350字程度で説明しなさい。なお、解答においては、designという語は用いず、それに適当な日本語をあてた最初の箇所に下線を引くこと。

問1

課題文2及び課題文3で取り上げられる「技術」というもののあり方・役割などについての見方をふまえ、現代社会におけるdesignについてのあなたの見解を1200字程度で述べなさい。なお、解答においては、designという語は用いず、それに適当な日本語をあてた最初の箇所に下線を引くこと。

京都大学法学部特色入試の倍率

最後に、京都大学法学部特色入試の過去の倍率をご紹介いたします。

平成31年度

募集人員:20名 志願者:514名 倍率:25.7倍 (結果未発表)

平成30年度

募集人員:20名 志願者:372名 倍率:18.6倍 第1次選考合格者:307名 第2次選考受験者:69名 最終選考合格者:22名

平成29年度

募集人員:20名 志願者数:487名 倍率:24.4倍 第1次選考合格者:340名 第2次選考受験者:91名 最終選考合格者:23名

平成28年度

募集人員:20名 志願者数:324名 倍率:16.2 第1次選考合格者:324名 第2次選考受験者:130名 最終選考合格者:22名