作成日: 2018年4月22日 最終更新日:

京大法の事情を赤裸々トーク!?法学部にまつわる五つのウワサを検証してみた

京都大学法学部。法曹界に数多くの人材を輩出する、日本でも指折りの文系学部。そんな高評価の一方で、卒業できない、変人ばかりなどの黒い噂も……。

今日は、そんな京大法学部にまつわる、筆者が選んだ5つののウワサについて紹介していきます!!ちなみに筆者の私は京大法学部の3回生です!

まずは、京大法学部の基本的な情報を確認していきます。

京都大学法学部の基本情報

  • 所在 京都大学吉田キャンパス
  • 人数 男1092人 女414人 計1506人(平成29年5月1日情報)
  • 設立 昭和32年9月、京都帝国大学に法科大学として設立
  • 学科区分 なし
  • 著名な卒業生 法曹関係者は多数。他にも前原誠司(政治家)やロザン宇治原(お笑いタレント)等。

改めて見ると男女比2対1なんですね。通ってるともっと女子少ない気がしたので意外でした。

さて、ではまずは一番よく聞くこのウワサから!

No1, 「試験が地獄。」

はい、ホントです(即答)。

京大の文系には学部の特性を表すちょっとした言い回しがあって、

パラ経(パラダイス経済学部、試験楽)

あそぶん学部(遊んでられる文学部、試験楽)

あほう学部(アホほど勉強せなあかん法学部、試験鬼畜)

てな感じで法学部の試験だけ他よりずば抜けてハードモードです。

試験前になるとたいていの法学部生は目が死んだ魚みたいになって、図書館通ったり判例読んだりしてますね。特に2回生になって専門科目が本格的に始まりだすとこの傾向が強まります。

ここで言う地獄とは、勉強面に関してと結果に関しての二つに分かれると思います。

では、まず勉強面の何が大変かというと、とにかく範囲が広い!内容が多い!授業の進度が早いのでついていくのがまた大変なんです...…。

それゆえ日々の予習復習がオススメされます。そうでなくてもテスト直前の詰め込みは自殺行為みたいなもので、たいてい試験勉強始めるのは皆さん1ヶ月くらい前のようです。

そして六法をめくりレジュメを理解し判例を覚え、内容を無事インプットしたとしても、答案に書くのがまた一苦労。答案にも法学部独特の書き方があって、これを法学三段論法というのですが「大前提→小前提→当てはめ」といった流れにそって書く必要があったりとその練習にもまた時間がとられます。六法覚えるだけが勉強じゃないんですよね……(てか六法暗記とか無理だしやらないし)。

そんなわけで試験の前は割と勉強漬けの日々が続きます。この時期に24時間の自習室にいけば、座ってる人の大半は六法全書机の上に置いてたり。控えめに言って闇。

そこに追い討ちをかけるように、法学部は他の学部よりテスト時期が遅い。つまり、他の学部がテスト終わりで遊んでる時が試験前のしんどい時。

他学部の友達から煽られながら机に向かうとか、そりゃ心もすさみますわ。

ちなみにテスト期間中の法学部生あるあるとして

  • 授業ノートはもちろん、教授の喋った音源が出回る。
  • 勉強やってない詐欺(実際は勉強してるorホントに何ひとつやってない)をかましてくる
  • そのくせ、たまにやった範囲の内容を話して来てマウントをとる奴がいる
  • 話すだけで飽きたらずTwitterで勉強内容書き込んで披露しだす
  • というかそもそもSNSの頻度が上がる
  • 条文や法律用語がポンポン口から出てくる。直前期とか判例知ってるのが当然みたいな雰囲気。正直もう怖い実家帰りたい。

ごくごく普通の友達でも、試験期間中はSNSが荒れる方、いませんか?きっとその方も休みに入れば元に戻りますので、どうか寛大な心をもってブロックとかしないであげて下さい……。

で、ここまでが長くなりましたが勉強面のお話。次は試験結果の話です。

試験の結果に関しても割と辛口で、法学部って基本採点が90点未満なんですよね。80点代は相当賢い部類で、90点以上をつけるときは教授会で審議するんだとかなんとか……。

しかも相対評価なので、高得点をとれるのは上位何%までという具合に決められており、必然的に点が欲しいガチロー勢(法曹界、特に法科大学院に進みたい人)はチキンレース、非ガチロー勢は低い得点を頂戴することになります。

ここで補足しておくと、ガチロー勢は先程高得点が必要と言いましたが、これは法科大学院に大学の内申点が関係するからで、このために彼らの中には低い点(60点代とか)になりそうな科目は、単位は取れそうでも内申を下げかねないので解答用紙に「×(バツ)」をつけて返却する猛者もいます(こうすると内申にはカウントされない)。

つまり、

「必死こいて勉強したぜ!単位は落としたけどなぁ!」

って状況があるってことです。そら地獄やわ。

話が若干ややこしくなりましたが、要は試験勉強も、その結果も法学部はシビアということを御理解頂ければ充分です。

総合型選抜を1分で完全理解する!

No2, 「留年が多い」

これも事実です。年にもよりますが、学年の約¼、つまり四人に一人は留年してる気がします。

原因は主に前述のとおり。法科大学院志望で内申が必要で、より高得点を取るためにもう一年留年して内申を上げる、という人もいますし、単純に授業に出ず単位も取れずフェードアウト、という方もいます。あとはたまに留学で卒業をずらす方もいますね。

ちなみに、私の先輩で三年生時点で留年が確定した人もいます。皆さん単位取得は計画的にね!

No3,「大半が法曹になる」

うーん、半分正解で半分ハズレですかね。

入学当初は法曹を「志望する」人が大多数ですし、実際卒業後に法曹関係の仕事(弁護士、裁判官、検察官等)につく人もやはり多いです。

でも年を経るうちに興味が移ったとか、内申が足りないとか、内申が足りないとか、内申が足りなかったりで民間に転向する人も出てきます。

最終的には民間→法曹→公務員の順くらいの人数比になるようです。

民間就職も人次第で、早々から説明会や面接に走り回ったり、外資や商社の内定をゲットする人もいれば、上昇志向より安定を求めてマイナー所を攻める人、最後まで就職上手くいかなかった人など色んなタイプが存在します。

あと法曹に関して、何だかんだ3分の1くらいは法科大学院に行ったり予備試験受かったりでその道に進んでいるので、やはり流石は京大法、なのかもしれません。弁護士や法曹界のコネは相当強いと聞きますし……。

No,4「法学部の地下(J地下と言います)にはアンダーグラウンドな世界が広がっている」

いきなり都市伝説みたいですね笑

ですが、確かに法学部の建物の下には地下空間が広がっています!

何の空間かというと、法学系サークルのボックス(部室みたいなもん)があるんですね!

法学系サークルについては後述するとして、J地下の管理は法学部の学生自治会が行っています(らしいです)。もっとも、この自治会は基本各サークルの活動にはほぼノータッチなので、各サークルが他所のとこに迷惑をかけない程度に、自由に使ってたりします。

部室で漫画を読み漁ったり、ゲームしたり、ご飯食べたり、ロッカーに重い参考書置いたり、ピロティで勉強会したり…。ちなみに私の所属するサークルではピロティを借りて、ハロウィンにお菓子持ち寄りで仮装パーティをしたりと楽しく使わせて頂いております。

昔はなんと24時間いつでも出入りOKで泊まることもできる便利な場所だったのですが、今では夜や土日は鍵がかけられています。何でも、数年前にどこぞのテニサーが酒盛りで騒ぎに騒ぎまくりやがったせいなんだとか……(許すまじ)。

ネット界隈では「治外法権がある」「留学生が夜な夜な集って麻雀してる」「過激派のアジト」といったぶっとんだ憶測もありましたが(笑)、実際はそんなことは無いです。昔は一時期、左寄りの過激団体に乗っ取られかけたこともあるらしいですが、自治会&大学側の撲滅作戦で今はそういった関わりは無いみたいですね!

……麻雀大会ならやってみたい気もしますが。

No5,「星の数ほど法学系サークル」

京大には多くの法学系サークルが存在し、思想的にちょっと危ないのを除いた、学部公認で前述のJ地下に部室を持つような、法学系サークルの集まりを「法サ連」と呼びます。

年にもよりますが、多い時には法学部生の約3割程度は、この法サ連のいずれかに所属していると言っても過言では無いでしょう(とりあえず名前だけ入っている人を含めたらそれ以上)。

法サ連のなかでも有力なものを(偏見で)あげていくと

げんぽー

現代法学研究会。人数的には法サ連の最大勢力。時事問題や法律系のテーマから自分の興味あるトピックを選び、調べて発表するのが主な活動内容。友達作りに入る人も多く、私もそのうちの一人。たまに「法サ連のテニサー」「遊びサー」とか言う人がいますけどそんなことないです…イベントは多いしゆるい雰囲気だけど、活動は結構真面目にやってます!

こくせー

国際政治研究会。げんぽーに次いで人数が多い。活動内容は興味ある分野(外交、政治経済、軍事系が多い?)の発表。何人か友達がいますがここも活動はゆるめで兼サーしてる人が多いです。あと部室がめちゃめちゃ綺麗。本は揃ってるし、コーヒーメーカーあるし、正直羨ましい。

こくほー

国際法学研究会。活動内容は国際的な問題をテーマにした、英語での模擬裁判。大会に向けて日頃から勉強してるので、ゆるーい所の多い法サ連の中では一番忙しいし、その分の遣り甲斐はありそう。少数精鋭(そんな少人数でもないけど)って感じ。凄い人は国際大会に出てたりするレベル。

さつき会

5月の司法試験を意識した名前のサークルで、実際活動内容は法律の勉強会が多く、法曹志望者がメンバーにも多くいる。昨年急激に人数を増やしてきた新興勢力だが、それまであまり表に出てこなかっただけに謎も多い。

法相

京大法律相談所。他の法サ連が二年生で引退なのに対し、ここは二年生から四年生まで所属している。活動は法律相談所を開いて町の方々の相談にお答えするというもの。他の法サ連の引退が迫った二年生が入ることもあり、人数はかなり多めでイベントもよく開かれる。

他にも、模擬国連などおよそ10近い法サ連が存在しています。

ここに入るメリットとしては、一つはテスト対策(勉強会等で先輩や同期に色々教えてもらえる、過去問が手に入る)、もう一つは友達が手に入る(授業やご飯に一緒に行くのはもちろん、将来の人脈にも)ことでしょうか。

もし京大法学部に入る方がいれば、どれかには入っておくことをオススメします!

以上、京大法学部にまつわるウワサの数々、いかがでしたか?これらはまだまだ序の口に過ぎないので、法学部に先輩や友達がいれば是非色々と聞いてみてください!もっと面白い話がザクザク出てくるかもしれません(笑)。

最後までご覧頂きありがとうございました!!

ちん網に、京都大学は「変人の巣窟」と言われることがあります。京都大学の変人性については、酒井敏教授という方が本を書いているので、ぜひ一度お読みください。京都大学を深く知るうえでは、必読の書と言えます。京大の変人を知るうえでも最適です。
京大変人講座: 常識を飛び越えると、何かが見えてくる (単行本)

京大的アホがなぜ必要か カオスな世界の生存戦略 (集英社新書)