名古屋市立大学は総合型選抜(旧AO入試)ではない?
名古屋市立大学では総合型選抜(旧AO入試)を採用していません。入試の方式は大きく分けて以下の5つです。
- 1. 一般入試
- 2. 推薦入試
- 3. 私費外国人留学生
- 4. 帰国子女入試
- 5. 第3年次編入学
今回は主に推薦入試についてまとめていきます。
平成31年度の名古屋市立大学の推薦入試は2つに分かれています。
- ・推薦入試A(大学入試センター試験を課さない)
- ・推薦入試B(大学入試センター試験を課す)
推薦入試B(大学入試センター試験を課す)の入試要項はまだ発表されていないため、ここでは推薦入試Aについて解説します。
名古屋市立大学の推薦入試Aの募集概要(学部・学科別)
平成31年度の名古屋市立大学の推薦入試A(センター試験を課さない)で受けられる学部は以下の3つです。
ここからは、学部ごとに募集概要を詳しくまとめています。
薬学部
名古屋市立大学ホームページでは、次のように薬学部の理念と目的、アドミッション・ポリシーが掲げられています。
理念と目的
「薬学は、様々な基礎科学を薬に関して総合し、医療への応用を目指す学問です。医療に不可欠な学問である薬学を志す人は、薬を通じて人類の健康と福祉の発展に貢献することが求められています。これを踏まえ、薬学部では生命薬科学科と薬学科を設置し、薬の創製・生産・臨床応用・適正管理・適正使用のための基礎知識と創造力・研究能力を有し、世界に羽ばたける多彩な薬のスペシャリストを社会に送り出すことを目指しています。」
アドミッション・ポリシー
科学としての薬学に強い学習意欲と探究心を有している人を求めます。
薬のスペシャリストとして医療現場での薬剤師活動、医薬品の研究開発、行政などを通じて、人類の健康と福祉の発展に貢献するという使命感と倫理観を持てる人を求めます。
薬学は自然科学の応用分野で、理科系の学力を重視します。しかし、薬剤師や薬学分野の研究者・技術者には、社会科学や人文社会学をも含む幅広い学問知識と教養が必要です。そのため、文科系科目に関しても基礎的な知識を有する人を求めます。
医薬品研究開発や医療人としての活動において、国際的なレベルでの連携が不可欠な時代となっています。将来、国際的な視野で考え、コミュニケーションを円滑に取り、行動できる能力の獲得を目指し、そのための努力を継続できる人を求めます。
- 生命科学としての薬学への向学心を有する人(生命薬科学科)
将来、基礎薬学研究や医薬品開発等を通じて、科学者として人類の健康と福祉の発展に貢献しようという情熱を有する人を求めます。
将来、薬剤師として患者さんを思いやり、医療に携わる様々な職種の人々と協調して、患者さんのための医療に貢献しようという意欲のある人を求めます。
卒業後は大学院に進学して創薬・生命科学、臨床薬学の進歩に貢献しようとする強い意欲を持った人を求めます。
『
総合型選抜を1分で完全理解する! 』
経済学部
名古屋市立大学ホームページでは、次のように経済学部の理念と目的、アドミッション・ポリシーが掲げられています。
理念と目的
「経済学部の基本的な目的は、広い教養を持ち、経済学と経営学の諸理論に精通し、各自が直面するであろう経済、経営上の諸問題に柔軟かつ的確に対応できるような人材を社会に送りだすことです。」
アドミッション・ポリシー
- 専門学科又は総合学科で習得した専門的な知識等をいかし、同世代のリーダーたろうとする気概のある人
- 経済・経営分野に強い関心を持っている人
- 前向きの学習意欲を持っている人
- 自分で明確な目標を持っている人
- 国際的分野について十分な理解力を持っている人
- 豊かな教養の形成を目指す人
『
総合型選抜を1分で完全理解する! 』
人文社会学部
名古屋市立大学ホームページでは、次のように人文学部の理念と目的、アドミッション・ポリシーが掲げられています。
理念と目的
- 人類の豊かな未来を求めて人文科学・社会科学の諸分野について学び、今日の人間、社会、文化に関わる課題について研究して、それを社会に役立てる人材
- 現代の地域社会や国際社会が直面する複雑な諸問題を多面的に考察し、実践的に解決していく知を身につけた人材
- 少人数教育の演習・論文指導によって、発表・討論能力や構想力・文章表現力を身につけた人材
アドミッション・ポリシー
- 人間・社会・文化に関わる諸問題に関心をもち、その緩和または解決に向けて、学際的な知識と柔軟な発想力をもって積極的に取り組む人
- 日常、当たり前に思っている習慣や規範、考え方を客観的に捉え直し、国内外における現代的課題に対して、根本的にかつ多角的にアプローチできる人
- 学ぶ意欲があり、さまざまな人との出会いや新たな経験に主体的である人
- 国語・英語・数学において十分な基礎学力を有すること
- 自分の考えを筋道立てて説明できる論理的な思考力や言語表現力を持ち、他者の声に傾聴するなど十分なコミュニケーション能力を備えていること
『
総合型選抜を1分で完全理解する! 』
心理教育学科のアドミッション・ポリシー
- 幼稚園教諭免許および保育士資格を取得し、保育・幼児教育や子育て等に関わる、専門的知識を生かした仕事をすることを目指す人
- 国内外の保育・教育、または子どもの発達を科学的に探究していくことに関心をもち、子どもに関連する現代的諸課題の緩和または解決にむけて他者と協力し合い、建設的な議論ができる人
現代社会学科のアドミッション・ポリシー
- 現代社会が直面する諸問題とりわけ身近な都市圏・地域社会に深い関心を持ち、その持続可能な社会の形成にむけて解決のために努力する人
- 現代社会の諸問題について、自らどのような問題であるか考え、探究し、社会科学の諸分野を幅広く深く学び、社会調査などの基本的スキルを身につける意欲のある人
- 大学での社会科学学修のために必要な基礎知識を十分に習得し、勉学意欲を持ち、知的好奇心や柔軟な発想力を持つ人
- 学内外の社会調査・フィールドワークに積極的に参加する意欲のある人
国際文化学科のアドミッション・ポリシー
- 自文化を相対化することで異文化の存在を認め、諸文化の対等な交流にこそ豊かな文化発展の可能性があると理解できる人
- 異文化に対する無理解や摩擦に起因する国際・国内問題について知的関心を持ち、自分の考えを論理的に表現できる人
- 上述の諸問題解決のために率先して行動を起こし、国際平和に必要不可欠な多文化共生社会実現のために貢献しようとする意欲のある人
人文社会学部で取得できる資格一覧
- 幼稚園教諭一種免許状、保育士資格:心理教育
- 中学校教諭一種免許状・高等学校教諭一種免許状:心理教育、現代社会、国際文化
(※社会、英語、地理歴史・公民
- 社会福祉国家試験受験資格:心理教育、現代社会、国際文化
- 社会調査士資格:現代社会
- 認定心理士資格:心理教育
名古屋市立大学推薦入試Aの募集人員・推薦人員
名古屋市立大学推薦入試Aの募集人員と高等学校における推薦限度人員は以下の通りです。
募集人員
薬学科(6年制):6名
生命科学科(4年制):4名
心理教育学科:5名
現在社会学科:5名
国際文化学科:6名
高等学校の推薦限度人員
薬学科(6年制):制限なし
生命科学科(4年制):制限なし
現代社会学科:2名
国際文化学科:2名
『
総合型選抜を1分で完全理解する! 』
名古屋市立大学推薦入試Aの出願資格一覧
平成31年度名古屋市立大学推薦入試Aの出願資格があるのは、高等学校を平成29年3月以降に卒業したものまたは平成31年3月に卒業見込みの者で、名古屋市立大学への入学を強く希望している人です。
ここからは、学部・学科ごとの出願要件をまとめています。
薬学部
次の全てに該当する者。
- 調査書の全体の評定平均値が4.0以上であり、将来、生命科学と医療科学を基礎として医療を支える重要な学問分野である薬学の研究・発展及び薬剤師職能の発展に対して貢献が期待できる能力及び適性等を有する人物として、学校長が責任をもって推薦する者
- 合格した場合、必ず入学することを確約する者
経済学部
- 学業成績、人物ともに優秀で、学校長が責任を持って推薦する者
- 調査書の全体の評定平均値が4.3以上であり、かつ、次の資格のうち一つ以上を取得している者
- 日商簿記2級以上
- 全商簿記1級
- 基本情報技術者以上
- 全商情報処理1級(ビジネス情報部門とプログラミング部門の両方取得)
- 合格した場合、必ず入学することを確約する者
人文社会学部 心理教育学科
次の全てに該当する者。
- 保育士資格・幼稚園教諭免許取得に必要な単位を修得する強い意志があり、学業成績、人物ともに優秀で、学校長が責任をもって推薦する者
- 調査書の全科目の評定平均値が4.0以上である者
- 合格した場合、必ず入学することを確約する者
人文社会学部現代社会学科
次の全てに該当する者。
- 保育士資格・幼稚園教諭免許取得に必要な単位を修得する強い意志があり、学業成績、人物ともに優秀で、学校長が責任をもって推薦する者
- 「社会に関する自主的な調査研究による成果」または「地域社会における顕著な活動」があり、全科目の評定平均値4.0以上および社会科 (地歴、公民) 評定平均値4.0以上の者。なお、「社会に関する自主的な調査研究による成果」または「地域社会における顕著な活動」がない場合、全科目の評定平均値4.0以上および社会科 (地歴、公民) 評定平均値4.5以上の者
- 合格した場合、必ず入学することを確約する者
人文社会学部 国際文化学科
次の全てに該当する者。
- 学業成績、人物ともに優秀で、学校長が責任をもって推薦する者
- 調査書の全科目の評定平均値が4.0以上であり、かつ、外国語評定平均値が4.5以上又はTOEIC公開テスト(L&Rに限る)580点以上、実用英語検定2級以上もしくは独語・仏語・中国語検定3級以上を取得している者
- 合格した場合、必ず入学することを確約する者
名古屋市立大学推薦入試Aの出願手続き・スケジュール
ここでは名古屋市立大学推薦入試Aの出願手続き及びスケジュールをまとめて紹介していきます。
- 出願期間:平成30年11月1日(木)~平成30年11月7日(水)
- 出願書類の郵送先:名古屋市立大学 学生課入試係(〒476-8601 名古屋瑞穂区瑞穂町宇川澄1番地 桜山キャンパス)
出願に必要な書類
- 入学志願票
- 志願理由書(経済学部は不要)
- 検定料納付証明書
- 推薦書
- 調査書
- 推薦入学確約書
- 宛名シール
- 資格取得証明書(経済学部)
- 高校入学後に行った特筆すべき諸活動の概要書(心理教育学科)
- 社会に関する自主的なん調査研究による成果、あるいは地域社会における顕著な活動の概要書(現代社会学科)
- TOEIC公開テストの公式認定証(国際文化学科)
- 外国語検定合格証明書(国際文化学科)
名古屋市立大学の推薦入試Aの入学者選抜方法(学部・学科別)
ここでは各学部の入学者選抜方法についてまとめて紹介していきます。
推薦入試Aでは、基本的に全ての学部で2段階評価によって選抜が行われます。
薬学部
第1次選考
入学志願者が募集人員の約10倍を超えた場合は、出願書類(調査書、学校長の推薦書、志願理由書)により学業成績及び志望学科に対する意欲・適性を判断する第1次選考が行われます。
第2次選考
1次選考合格者に対して、小論文及び面接試験が行われます。
- 小論文:基礎的学力、問題の解釈力、全体的構成力、論理的思考力、文章表現力、個性的な着眼力、創造力
- 面接:専門領域に関する興味や知識、表現力、積極性・適性、高校生活の活動状況及び将来の学習意欲
実施日時・場所
小論文:10:00~11:00
面接:13:00~
経済学部
第1次選考
入学志願者が40名を超えた場合は、出願書類(調査書、学校長の推薦書)により学業成績及び志望学科に対する意欲・適性を判断する第1次選考が行われます。
第2次選考
1次選考合格者に対しては、15分程度の個人面接試験が行われます。
専門領域に関する興味や知識、表現力、コミュニケーション力、積極性、高校生活の活動状況などが総合的に評価されます。
実施日時・場所
13:00~面接
人文社会学部
第1次選考
入学志願者が20名を超えた場合は、出願書類により学業成績及び志望学科に対する意欲・適性を判断し20名程度の合格者が決定されます。
入学志願者が20名を超えた場合は、出願書類により学業成績及び志望学科に対する意欲・適性を判断し、20名程度の合格者が決定されます。
入学志願者が25名を超えた場合は、出願書類により学業成績及び志望学科に対する意欲・適性を判断し、25名程度の合格者が決定されます。
第2次選考
教育心理学科
- 小論文:幼児教育・保育のテーマについての理解力、論理的に考えて適切に文章表現する力
- 個人面接:幼児教育・保育に関する関心や学習意欲、コミュニケーション力、高校での活動状況などと共に、保育者に必要な歌唱力を総合的に評価。(10分程度)
また、音楽的能力の適性検査として5分程度の歌唱の実技試験も行われます。受験票送付時に保育現場でよく使用される歌の曲名の指定がなされ、当日その中から1曲指定されるので、楽譜を見ながら歌います。
現代社会学科
- 小論文:現代社会についての理解力、論理的思考力、表現力、個性的な視点、創造力
- プレゼンテーション:社会に関する自主的な調査研究による成果、地域社会における顕著な活動、社会科に関する学習を踏まえて、現在関心を持っている現代社会の問題を挙げてその概要の説明、大学生活における勉学計画
- 個人面接:専門分野に関する知的関心、学習意欲、積極性、基礎知識、理解力、表現力、高校での活動状況などを総合的に評価。(10分程度)
国際文化学科
- 小論文:異文化や国際問題についての理解力、論理的思考力、文章表現力、個性的な視点、創造性
- 面接:専門分野に関する知的関心、学習意欲、積極性、基礎知識、理解力、表現力、討論力、高校での活動状況。
形式は5人1組みを原則として、1対1応答形式及び討論形式で実施されます。
実施日時・場所
心理教育学科
小論文:10:00~11:30
面接:13:00~
現代社会学科・国際文化学科
- 平成30年11月24日(土)
- 小論文:10:00~11:30
- 面接:13:00~面接(プレゼンテーションを含む)
- 於:名古屋市立大学滝子キャンパス
名古屋市立大学の推薦入試Aの合格発表
日時:平成30年12月4日(火)10:00
- 場所:名古屋市立大学 桜山キャンパス本部棟前
- 方法:受験番号の掲示
名古屋市立大学の推薦入試Aの倍率
平成30年度の名古屋市立大学の推薦入試Aの倍率は以下の通りです。
薬学部
薬学科
生命薬科学科
経済学部
人文社会学部
心理教育学科
現代社会学科
国際文化学科
全体的な倍率の平均は2.9と3倍を切りますが、薬学部薬学科は10.2倍と非常に高倍率でした。
名古屋市立大学の推薦入試Aの過去問は?
名古屋市立大学の推薦入試Aの過去問題は、残念ながら公開されていないようです。
さらに、志望理由書の書き方など、総合型選抜(旧AO入試)・推薦入試のことを知りたい方は、「
自分だけの物語で逆転合格する AO・推薦入試 志望理由書&面接」という本もおすすめなので、ぜひこの本も読んで、本番に備えてみてください。