奈良女子大学は、奈良市に本部を置く国立女子大学です。国立女子大学は日本にわずか2つしかないため受験生からの人気も高く、関西の名門大学として有名です。
今回は、そんな奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)について、出願に必要な条件や試験の内容などを詳しくご紹介いたします。
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)とは?

奈良女子大学ホームページでは、2021年度より導入予定の新しい入試方式である総合型選抜「Q」の開始が予告されています。「Q」とは探求の「きゅう」のことで、「Question」や「Quest」などの意味も込められています。
疑問に思ったことについて自主的に問いを立て、それを解き明かしていくといったことが好きな人を募集しています。
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)の実施状況
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)は、2020年度までは文学部のみで行われますが、新しい総合型選抜(旧AO入試)である「総合型選抜『Q』」は全ての学部で実施されます。
奈良女子大学の学部・学科は以下の通りです。
・ 文学部
・ 理学部(数物科学科、化学生物環境学科)
・ 生活環境学部(食物栄養学科、心身健康学科、情報衣環境学科、住環境学科、生活文化学科)
さらに、志望理由書の書き方など、総合型選抜(旧AO入試)・推薦入試のことを知りたい方は、「
自分だけの物語で逆転合格する AO・推薦入試 志望理由書&面接」という本もおすすめなので、ぜひこの本も読んで、本番に備えてみてください。
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)の概要

まずは、現在文学部で実施されている総合型選抜(旧AO入試)について、募集学科や提出書類などについて詳しく解説いたします。
募集人員
地域環境学分野(人文社会学科 地域環境学コース):2名
教育学・人間学分野(人間科学科 教育学・人間学コース):4名
アドミッションポリシー
ことばと人間の探求
・ ことばそのもの、または文学、哲学、思想、芸術、スポーツやダンスなど、人間がことばや身体を用いて行う表現活動のいずれかに強い関心のある人。
・ 上記の関心のある対象についてより深く考察してみようという意欲のある人。
・ 自分が考えたことを論理的な文章に構成して表現することが好きな人、あるいはそうした力を磨く意欲のある人。
入試で見られる能力
・ 高校での国語・外国語・歴史・公民・芸術・体育などの学び
・ 留学などの異文化経験
・ 創作活動や表現活動などの経験
・ 自分で考えたことを文章で表現する能力を身につけること
社会と人間の探求
・ 経済的格差と社会文化的対立の拡大を背景に、社会的公正や多様な人々の共生と包摂に強い関心を寄せる人。
・ 歴史的考察や国際比較、 社会調査やフィールドワークなど、課題にアプローチするさまざまな方法を学び、社会的共生と包摂について学術的に探究したいと考える人。
地域と環境の探求
・ グローバルかつローカルな視点を持ち、将来、社会・地域貢献や国際協力などの活動に関わろうとする人。
・ 人間と自然環境の関係について、文系・理系の枠組みにとらわれず、多面的な考察・思考ができる人。フィールドワークを通じて、地域の諸問題に積極的に関わろうとする人。
・ 将来の大学院進学を視野に入れ、専門分野についてより深く探究しようという意欲のある人。
ならの探求
・ 奈良について、強い興味・関心を持ち、それを専門的な観点と結びつけて学ぶことに強い意欲をもつ人。
・ 地域の文化発展や課題解決のための知識や方法を奈良で学びたいと考え、すでにそうした学習を始めている人。
・ 卒業後も奈良の地域振興や新しい奈良の文化創造に貢献したいと考え、そのための分野や方法をすでに模索している人。
総合型選抜(旧AO入試)の選考日程
Web登録:平成30年9月6日(木)~20日(木)
出願期間:9月13日(木)~21日(金)
第1次選考日:10月13日(土)
第1次選考結果通知日:10月19日(金)
第2次選考日:11月17日(土)、18日(日)
合格発表日:11月27日(火)
総合型選抜(旧AO入試)の提出書類
写真2枚
調査書
志願者評価書
志願者評価用封筒
志望理由書
総合型選抜(旧AO入試)の選考方法
地域環境学分野
第1次選考:志願者が募集人員の5倍以上の場合は書類審査
第2次選考:1日目は筆記試験、2日目は面接
教育・人間学分野
第1次選考:模擬授業に関するレポートと出願書類から総合的に判定
第2次選考:小論文と面接
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)型入試「Q」の概要

次に、2021年度より開始されるAO型の総合型選抜入試「Q」について、現在判明している情報をまとめました。
アドミッションポリシー
理学部 数物科学科
・ 数学や物理学に興味を持ち、それらの深い学問的素養や方法論を習得する意欲のある者。
・ 自然科学全般や語学に対しても興味を持ち、基礎的な素養を身につけている者。
理学部 化学生物環境学科 化学コース
・ 化学をはじめとする理科、英語、数学の基礎学力を身につけている者。
・ 読解力・理解力、論理的思考力、表現力を身につけている者。
理学部 化学生物環境学科 生物科学コース
・ 生物が好きな者。
・ 実験の目的、方法を理解し、得られた結果から考察し、まとめて文書を完成することができる者。
・ 自分で考え、行動できる者。
理学部 化学生物環境学科 環境科学コース
環境科学を含む自然科学一般に関わる観察・観測や調査活動、保全活動などに真剣に取り組んできた者。
生活環境学部 食物栄養学科
・ 食や健康について興味を持ち、深く学び、将来、社会でその学びを生かしたいと強く考える者。
・ 食や健康に関する知識・情報などの収集・発信のための重要なスキルである英語の能力を、十分に身につけた者。
生活環境学部 心身健康学科
・ 常に疑問を持ち、それを解決するために能動的に正確な情報を収集することができる者。
・ 論理的、定量的に物事を考えることができる者。
・ 国際的視点で社会の問題について考えることができる者。
生活環境学部 情報衣環境学科
文系・理系を問わず、人間にとって最も身近な環境を形成する衣服に興味を持ち、関連分野の専門的職業人になりたいという意欲のある者。
生活環境学部 情報衣環境学科 生活情報通信科学コース
技術力、 発想力、 情報収集能力、 開発能力、 説明能力のある者。
生活環境学部 住環境学科
幅広い教養と基本的な論理力を持ち、住まいづくり・地域づくりに興味があり、将来それらの分野の専門的職業人として活躍したいという積極的姿勢をもつ者。
生活環境学部 生活文化学科
・ 文理を問わない幅広い関心を有している者。
・ 国際問題や時事問題に関心がある者。
・ 課題発見・問題解決能力の涵養を目指している者。
AO型入試「Q」の選抜スケジュール
出願受付期間:9月上旬
第一次選考結果発表:9月中~下旬
第二次選考:10月中~下旬
合格発表:11月上~中旬
AO型入試「Q」の提出書類(学部・学科別)
奈良女子大学の総合型選抜(旧AO入試)「Q」に必要な提出書類を一覧で紹介しています。
文学部
・ 調査書
・ テーマに関する志望理由書
・ テーマに関する評価書
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
理学部 数物化学科
・ 調査書
・ 数学もしくは物理学に関して自分で考えた事柄に関する作文
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
理学部 化学生物環境学科 化学コース
・ 調査書
・ 志望理由書
・ 活動報告書
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
理学部 化学生物環境学科 生物科学コース
・ 調査書
・ 志望理由書
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
理学部 化学生物環境学科 環境科学コース
・ 調査書:
環境科学を含む自然科学一般にかかわる観察・観測や調査活動、保全活動への取り組み方や活動実績についての所見/数学・理科に関する知識についての所見、なお数学検定や理科検定の資格があれば記載
・ 志望理由書
・ 研究レポート:
環境科学を含む自然科学一般にかかわる観察・観測や調査活動、保全活動に関するもの、背景と目的、方法・結果・考察・まとめを記載する
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
生活環境学部 食物栄養学科
・ 調査書:各種資格・検定などの実績を記載する場合は証明書を添付
・ 学習研究計画書:
高等学校でどのように学んだかを述べ、食物栄養学科でどのように学び、研究するのか、また将来の仕事に活かしていくかについて記載すること
・ 入賞などのエビデンス:
各種コンテスト入賞や表彰などについて、エビデンスがあれば任意で提出を認める
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
生活環境学部 心身健康学科
・ 調査書:
各種資格・検定・コンテスト・協議史跡の実績を記載する場合は証明書を添付
・ 志望理由書
・ 小論文:
生活健康学・スポーツ健康科学・臨床心理学各コースから提示された課題のうち、1題を選択すること、文字数は1,200文字程度
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
生活環境学部 住環境学科、生活文化学科、情報衣環境学科 衣環境学コース
・ 調査書
・ 志望理由書
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
生活環境学部 情報衣環境学科 生活情報通信科学コース
・ 調査書
・ 志望理由書
・ 作品概要書:
第二次選考絵でのプレゼンテーションで説明を行う予定の自分の作品に関する概要並びにアピールポイントをA4判2枚以内で記述
(※英語の資格・検定試験の成績証明書が必要な場合あり)
AO型入試「Q」の選考方法(学部・学科別)
ここでは、AO型入試「Q」の第二次選考の概要について学部・学科ごとに紹介していきます。
文学部
課題レポート・小論文・口述試験(提出したレポートについての質疑応答)
第一次選考の合格者に、募集要項であらかじめ示した図書や資料についての課題が送付さ、指定の期日までにレポートなどを提出することが求められます。
理学部
・数物化学科
作文・口述試験(数学もしくは物理学に関して自分で考えた事柄に関する作文に記載した事項に対する質問を含む)
・化学生物環境学科化学コース
課題・口述試験、あるいは模擬授業・レポート
・化学生物環境学科生物科学コース
提示された生物実験マニュアルに従った実験の実施、およびレポートの作成、それらの結果を総合的に評価
・環境科学コース
研究レポート・口述試験(提出書類のうち「研究レポート」についての10分間の発表を行った後、質疑応答を行う、液晶プロジェクタの使用、ポスターの持参も可能)
生活環境学部
・食物栄養学科
科学的な内容の文章、実験データなどを読み小論文を作成する。
ホワイトボードを用いたプレゼンテーション及び質疑応答を行う。
・心身健康学科
事前課題に関するプレゼンテーション及び質疑応答(30分程度)
・情報衣環境学科衣環境学コース
口述試験(志望理由書に記載した内容に関するプレゼンテーション及び質疑応答)
・情報衣環境学科生活情報科学コース
受験者各自が持参したプロジェクタ映像または配布資料を使ったプレゼンテーションと質疑応答を行う。作品は計算機に関連したもの。
・住環境学科
与えられたデータや資料を読む、データや資料の処理補法や立論を展開する想像力・論理力などを問うディスカッションを教員との間で行う。
・生活文化学科
学科の教育研究内容に関して、当日提示された資料を用いての小論文作成。その小論文をもとにした質疑応答による口述試験も行う。